「賢い子に育てる方法」好奇心と熱中する力を伸ばす!【脳科学者が解説】
「16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て 『賢い子』は図鑑で育てる」の著者・瀧靖之先生に、「自分で夢を叶える賢さ」を育む方法を聞くシリーズ第3回。
2023.07.22
ライター:笹間 聖子
テーマ
「将来AIに負けない賢い子に育てるには」
今回は、「将来AIに負けない賢い子に育てるには」をテーマにご紹介します。
「好奇心」「熱中する力」を武器に、試行錯誤する
この2つがあれば、人は学び続けていくことができるからです。運動や楽器などもそうですが、「どうやったらもう少し上手になるんだろう」と熱中して考えると、上達も早いですよね。
すると、たとえAIのテクノロジーが到来しても、「じゃあこのAIを使って何をしよう」「どういう社会を実現しよう」と利用する方法を考えられます。
この視点を持つことが、「AIに仕事を取られない大人」に育つために欠かせないものだと私は思います。
記憶力を高める
第2回でもお伝えしましたが、最も重要なのは「単純接触効果」、つまり「同様の対象に何度も接すること」です。例えば、虫を図鑑で見て、本物を見て、再び図鑑を見て……と、何度も繰り返し接することが大切なのです。
恐竜や星の名前をたくさん知っているお子さんがいますが、これはそういった仕組みからです。人は「ワクワクしながら熱中したこと」を、非常によく覚えているのです。
例えば星に興味を持ったお子さんなら、図鑑で見た後に、望遠鏡や双眼鏡で星を見たり、空を見上げて、「あれが夏の大三角形だよ」「あれが金星だよ」といった感じで知識を伝えていくと、おのずと、自然全体に興味を持つようになっていきます。
すると、小学校や中学校の授業で理科や地学が登場したときに、「これは勉強ではなくて、昔興味を持ったことだ」と感じられるので、学ぶ角度が一段と深くなるのです。
私自身も星が好きで、父が持っていた分厚い天体の辞典を幼稚園のときから毎日読んでいました。気づいたらそれが頭の中に入っていたので、中学校の授業では「なんで今さらこんな話をするんだろう」と思いながら授業を受けていたくらいです。
知識を楽しく伸ばして、さらなる興味を生む
なにより、得意な教科があると「勉強が楽しい」と思える。それが大切です。自信につながり、新たな興味・関心を生み、ポジティブなサイクルを描くのです。「一芸に秀でる人は多芸に通ず」ということわざがありますが、何かに熱中できる人は、別の分野にも熱中できます。
ぜひ小さなうちから、お子さんの「好奇心」と「熱中する力」を伸ばしてあげてください。
「16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て 『賢い子』は図鑑で育てる」著・瀧靖之
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瀧 靖之
東北大学加齢医学研究所 教授/スマート・エイジング学際重点研究センター センター長 東北大学大学院医学系研究科博士課程卒業。東北大学加齢医学研究所および東北メディカル・メガバンク機構で、脳のMRI画像を用いたデータベースを作成。脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍する。読影や解析をした脳MRIは16万人以上。 『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て「賢い子」は図鑑で育てる』(講談社)、『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)ほか著書多数。
東北大学加齢医学研究所 教授/スマート・エイジング学際重点研究センター センター長 東北大学大学院医学系研究科博士課程卒業。東北大学加齢医学研究所および東北メディカル・メガバンク機構で、脳のMRI画像を用いたデータベースを作成。脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍する。読影や解析をした脳MRIは16万人以上。 『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て「賢い子」は図鑑で育てる』(講談社)、『「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社)ほか著書多数。