脳科学者が解説! 「将来AIに負けない賢い子に育てる方法」

「16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て 『賢い子』は図鑑で育てる」の著者・瀧靖之先生に、「自分で夢を叶える賢さ」を育む方法を聞くシリーズ第3回。

ライター:笹間 聖子

テーマ

「将来AIに負けない賢い子に育てるには」
子どもには、できれば賢く育って自分の力で夢を叶えてほしいもの。「でもどうやったら、賢く育てられるのか分からない」というママ・パパのために、簡単に毎日取り入れられる図鑑を使って“脳を育む”方法について、脳科学者で、東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之先生にお伺いするシリーズ連載です。

今回は、「将来AIに負けない賢い子に育てるには」をテーマにご紹介します。

「好奇心」「熱中する力」を武器に、試行錯誤する

「AI」と「人」の大きな違いはなんでしょうか。私は、「好奇心」と「熱中する力」だと思います。

この2つがあれば、人は学び続けていくことができるからです。運動や楽器などもそうですが、「どうやったらもう少し上手になるんだろう」と熱中して考えると、上達も早いですよね。
熱中する力と好奇心が上達への近道となる
学習においても同じことで、「どうしたらこの数学の証明問題を解けるようになるんだろう」と考え、つねに試行錯誤をすることが重要です。

すると、たとえAIのテクノロジーが到来しても、「じゃあこのAIを使って何をしよう」「どういう社会を実現しよう」と利用する方法を考えられます。

この視点を持つことが、「AIに仕事を取られない大人」に育つために欠かせないものだと私は思います。

記憶力を高める

では、「好奇心」と「熱中する力」を育むためには、何が必要でしょうか。

第2回でもお伝えしましたが、最も重要なのは「単純接触効果」、つまり「同様の対象に何度も接すること」です。例えば、虫を図鑑で見て、本物を見て、再び図鑑を見て……と、何度も繰り返し接することが大切なのです。
年齢問わず、繰り返し「接する」機会を
何度も接することによって興味や関心、その対象が面白い、ワクワクするというポジティブな感情が生まれます。感情を司る脳の分野と記憶は密接につながっているため、興味・関心に対する記憶力が高まります。

恐竜や星の名前をたくさん知っているお子さんがいますが、これはそういった仕組みからです。人は「ワクワクしながら熱中したこと」を、非常によく覚えているのです。

例えば星に興味を持ったお子さんなら、図鑑で見た後に、望遠鏡や双眼鏡で星を見たり、空を見上げて、「あれが夏の大三角形だよ」「あれが金星だよ」といった感じで知識を伝えていくと、おのずと、自然全体に興味を持つようになっていきます。

すると、小学校や中学校の授業で理科や地学が登場したときに、「これは勉強ではなくて、昔興味を持ったことだ」と感じられるので、学ぶ角度が一段と深くなるのです。

私自身も星が好きで、父が持っていた分厚い天体の辞典を幼稚園のときから毎日読んでいました。気づいたらそれが頭の中に入っていたので、中学校の授業では「なんで今さらこんな話をするんだろう」と思いながら授業を受けていたくらいです。
図鑑で見た後にはリアルな体験を

知識を楽しく伸ばして、さらなる興味を生む

得意な教科をみつけて、「勉強が楽しい」と思えることが大切
1つの知識を楽しく伸ばしていくと、それに引っ張られて、ほかの興味のなかった学びも伸びていきます。心理学では「般化(はんか)」と呼ばれている現象で、一定の条件反射が形成されると、最初の条件刺激と類似の刺激でも、同じ反応が生じる現象です。

なにより、得意な教科があると「勉強が楽しい」と思える。それが大切です。自信につながり、新たな興味・関心を生み、ポジティブなサイクルを描くのです。「一芸に秀でる人は多芸に通ず」ということわざがありますが、何かに熱中できる人は、別の分野にも熱中できます。

ぜひ小さなうちから、お子さんの「好奇心」と「熱中する力」を伸ばしてあげてください。
もっと詳しく知りたい方は、こちらもチェック!
「16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て 『賢い子』は図鑑で育てる」著・瀧靖之
「16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える究極の子育て 『賢い子』は図鑑で育てる」著・瀧靖之
図鑑で脳を育む子育て活用法が満載!
「脳科学者に聞く! 図鑑で賢い子に育てる方法」記事一覧
写真提供:ピクスタ
たき やすゆき

瀧 靖之

医師、医学博士

東北大学加齢医学研究所 教授/スマート・エイジング学際重点研究センター センター長 東北大学大学院医学系研究科博士課程卒業。東北...