あの日、あの時、胸躍らせて目撃したのは何だったのか? 今回取り上げるのは「12月5日」(1999年)。
かつて地球に襲来し、セブンをピンチに追い込んだ宇宙人の巨大ロボット・キングジョー。地球防衛軍の中でもタカ派で知られるカジ参謀は、地球防衛軍の兵器開発を請け負う新甲南重工とともに、今でも神戸港に沈んだままのキングジョーを回収、改造を施し対異星人との兵器に利用しようとする。そんななか、新甲南重工の会長であるカネミツの自宅付近に謎の石碑が出現。それ以降、他人を顧みない性格のカネミツの様子がかわりはじめる。
キングジョーと謎の石碑
少女はカネミツの娘のハルカだった。彼女は留学を希望しており、何度もカネミツを説得しようとしていたが、受け入れてくれない。今日もその話をしに会社にやってきたが、父の言動にショックを受け走り去ってしまう。神社に座り込んでいたハルカ。すると地震が発生。それがおさまると、彼女は謎の石碑を発見する。ハルカはそこに落ちていた小さな光る石を拾い、自宅に戻るのだった。一方、ウルトラ警備隊は石碑出現の情報を得て調査を開始する。
その後、参謀会議でキングジョーを地球防衛軍の兵器として改造するよう訴えるカジ参謀だったが、突如、新甲南重工により、キングジョーがレスキュー用ロボットとして改造されるというニュースが流れる。改造のためには莫大な資金がかかるというインタビュアーに対し、カネミツは平和の大切さを説くのだった。
突然のカネミツの行動を受け、会長室に乗り込んできたカジ参謀。「レスキュー用のロボットでは、平和は守れない」と訴えるカジ参謀に対し、カネミツは「侵略者がくるといえば本当にきてしまう。同じことばかり考えていると、それが本当になってしまう」「宇宙はコピー機だ」とよくわからない言葉で返した。
その後も、カネミツは社員の退職金支払いのために自殺してしまった池田製作所の社長の妻に謝罪と補償を約束、ハルカの留学を認めるなど、まるで人が変わったように優しい人物になっていた。