
1年をかけ岩波少年文庫を100冊読破した読書インフルエンサーが感じた、「生きるエール」をもらえる 児童文学4選
~読書インフルエンサーが選ぶ、児童文学4選~ (5/6) 1ページ目に戻る
2026.08.13
ライター:三本川
吉田桃子『夜明けをつれてくる犬』

小学生のころ、ひとまえで話すことのできない同級生の女の子が一人いました。
私は彼女がどんなことを考えていたのか、わからないままでした。
この本もひとまえで話すことのできない、おそらく場面緘黙症と思われる子どもの話。
人と話せない小学生の女の子が、大切な飼い犬の死を乗り越えられずにいます。
女の子が骨つぼの中の犬の骨に触れるシーンから始まり、その静謐な空気感に冒頭から心を摑まれました。
小説という媒体には、立場を超えて登場人物に共感できるという良さがあります。
この本を読むことで、うまく話せない人にも共感を持つことができるようになります。
「声になって外に出ないだけで、わたしのなかは、いつだって言葉でいっぱいなのだ」というモノローグもあるとおり、主人公の内面には複雑な思いであふれています。
そんな彼女が悲しむべきことをしっかり悲しんで、強くなって進んでいく健気な姿には、読者も大いに力をもらえること間違いありません。


































