世界がわかる子どもになる! 学校では教えてくれない5つの「地政学用語」

制作者インタビュー「こども地政学」#3 ~地政学用語編~

ライター:遠藤 るりこ

日本の地政学的リスクは何かを知る

「ちょっと難しいですが、⑤『地政学的リスク』という言葉もぜひ知っておいてほしいですね」(坪井さん)

最近、ニュースや新聞でも見聞きするようになってきたこの言葉。たとえば「朝鮮半島情勢で、アジアの地政学的リスクに懸念が高まる」といった感じで使われています。

「『地政学的リスク』とは、特定の地域が抱える政治的・軍事的・社会的な緊張の高まりが、地球上の地理的な位置関係により、世界の政治的・軍事的・社会的な先行きを不透明にすること、という意味で使われます」(『こども地政学』より抜粋)

日本が抱える「地政学的リスク」は、前回(#2)の記事で挙げたいくつかの領土問題や、米軍基地問題などがあります。

「アメリカが日本に多くの米軍関連軍事施設を置いていることは、1960年の日米安全保障条約で、米軍が戦争放棄した日本を守ることを約束したから……、という理由だけではありません」(『こども地政学』より抜粋)

地政学的に見て、アメリカにとって日本は重要な場所になっているから、という大きな理由もあるのです。

「沖縄にミサイルを置くと、世界の主要都市を射程圏に入れることができます。また、アメリカが国外唯一の空母の母港にする横須賀基地は、ロシアや中国、北朝鮮に近く、有事の際にすぐ対応することができます。

特に力を持ちつつある中国を牽制するうえでも、中国に近い日本に基地を置くことは、アメリカにとって大変意味のあることなのです」(『こども地政学』より抜粋)

日本という国が位置している地理的条件によって課せられることになった「地政学的リスク」について、考えることができます。

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