「ソラタとヒナタ」絵本化の裏側〈後編〉紙版画だからこその絶妙な「質感と色味」で描く、優しくて、美しい世界観

絵本『ソラタとヒナタ はじめてのたんじょうび』 (2/4) 1ページ目に戻る

イラストレーター・版画家:くま あやこ

③版が彫れたら、色の配置などを考えて、版に銅版画用のインクをのせて詰めていきます。

インクをのせる前にスケッチで色の配置を考える。写真提供:くまあやこ

私の場合は、一版多色刷りなので、絵柄に合わせて、ひとつの版にいろんな色を詰めます。

*一版多色刷り
1枚の版に、複数のインクをのせて刷る方法。

絵を彫った版にインクを詰めている様子。写真提供:くまあやこ

絵に合わせていろいろな色のインクを詰めていく。写真提供:くまあやこ

④版全体に色を詰めたあと、寒冷紗(かんれいしゃ)で絵を描くように余分なインクを拭き取っていきます。

*寒冷紗(かんれいしゃ)
ガーゼのような網目状の薄く、硬い布。版に乗せた余分なインクを拭き取るために使う。

版にインクを詰め終わったところ。写真提供:くまあやこ

⑤インクを拭き取り終えたら、銅版画用のプレス機に版を乗せて、さらに紙(予め水に浸したあと余分な水分を取った)を版の上に載せて、プレス機を回しながら、祈りを込めて刷っていきます。

銅版画用のプレス機にインクを詰めた版と紙を挟んで、ローラーを回しながら刷っていく。写真提供:くまあやこ

⑥プレス機で刷ったあと、版から紙をはがして、紙版画の原画が完成! です。

版から刷った紙をはがしていく。(上:刷り上がった紙、下:インクを詰めた版)写真提供:くまあやこ

完成した版画。写真提供:くまあやこ

「紙版画」で制作した理由
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