体験型展覧会「どっち?展」の誕生
キボリノコンノさんの作品の魅力を、「どっち?展」の主催者・ほぼ日曜日の山下哲さんは、「作品を見る人への、語りかけや問いかけが常に主体になっているところ」と話します。
──作品を見る人への、語りかけや問いかけが常に主体になっているところが魅力です。それはコンノさんの無邪気な「いたずら心」であり「挑戦」でもあり。「アートではない」とご本人は謙虚に言われますが、受け取る人の精神体験を充実させるという意味では、やはり芸術の枠内に(ポップに)存在している作品群だと思います。(以下、山下さん)
キボリノコンノさんのSNS上での「木彫りはどれ?」の出題が出会いとなり、体験型展覧会「どっち?展」がうまれました。
──同じくSNS上のキボリノコンノさんの「どっち?」クイズに挑戦していた糸井重里から「ほぼ日曜日でコンノさんの展示をやろうよ」という提案がありました。展示方法のアイデアは最初から明確でした。「SNSでたのしんだテスト形式の体験型」にするというものです。この形式をコンノさんがおもしろがってくださり、たがいに案を出し合いながら、学園祭の出し物を作るように、徹底的にその要素を詰め込むことができました。
結果として、「どっち?展」は入場者数が「ほぼ日曜日」トップクラスの動員に! メディア取材が殺到し、テレビ等で紹介されたことで全国的な話題として広がりました。この展覧会が成功を収めた要因はなんだったのでしょうか。
──作品の題材が、パン、コーヒー豆、お菓子などと、誰にとっても身近なものだったことや、「まちがいさがし」というクイズ的な見せ方が、老若男女すべての層に響いた印象があります。ほとんどのお客様が出口で「たのしかったぁ」と口にしていたことが、本当にうれしかったです。運営は大変でしたが、スタッフ全員に大きな満足がありました。第2弾も、ぜひ。