
国民的ベストセラー「あらしのよるに」を子育て中のママが読んだら…「親子で泣いた」「子どもの成長を実感」リアルレビュー
シリーズ最新作『あいことばはあらしのよるに』刊行記念 エニママレビュー
2025.05.18

「あらしのよるに」シリーズは、ある嵐の夜に真っ暗な小屋の中でオオカミのガブとヤギのメイが出会うところから始まります。「食うもの」と「食われるもの」という緊張感のある関係ですが、友情を深めていく姿には年齢を問わず心を揺さぶられるものがあります。
このたび20年ぶりの新刊・「新あらしのよるに」シリーズ第1巻『あいことばはあらしのよるに』の刊行を記念して、さまざまな年齢の子どもを持つAnyMaMa登録者のママに「あらしのよるに」シリーズの読後レビューを募集しました。寄せられたレビューのなかから、選りすぐりのコメントをまとめてご紹介します。
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子どもの本への向き合いかたが変わった 「あらしのよるに」
まずは「あらしのよるに」シリーズを読んだことで、子どもの成長を感じられたというママの声から。4歳の女の子のママ「あいだあい」さんのレビューです。
絵本好きの娘は、「長いのがいい」と、絵本から幼年童話へ楽しみを広げている真っ最中。そこで誘いかけをしたのがこちらでした。児童書のような大人びた麗しい言葉が並び、きっとわからない表現もあったでしょう。しかし、最後までじっくり聞き切りました。ゆっくり口にした感想は、「やぎさんがたべられるかと思って、ドキドキした」とその緊張が伝わってくるようでした。いつも以上に静かだったのは、危機迫る状況に息を殺していたのかもしれません。幼心にメイの身を案じ、友情の再起を願う心に、娘の成長を感じました。
4歳にとって少し背伸びした言葉や表現。ちょっと大人びた世界に触れるのも子どもにとっては魅力なんですよね。メイとガブを取り巻く緊張感のあるストーリーに引き込まれ、さまざまな感情を教えてくれたお子さん。見守るママのやさしいまなざしが目に浮かびます。
お子さんご本人の感想を教えてくれたママもいました。小学4年生の「ましろ」ちゃんのレビューです。

『あらしのよるに』は、嵐のような雨が降った暗い夜に、相手のことがわからない動物二人がしゃべっているところから始まるお話でした。私が読んで一番印象に残ったページは、「ハハハ、わたしたち、ほんとによくにてますねえ」といったページです。理由は、おなかが空くタイミングとかが一緒で面白かったからです。読んでみて面白かったところは、似てるからって友達になったところです。顔も合わせてないのに友達になって、本当のすがたを見た二人は、びっくりすると思います。私がもしもヤギさんだったら、しゃべっていた相手は「おんなじことを考えるヤギなんだ~」と思うと思います。明るくなって相手の顔を見たときにオオカミだと知ったら、びっくりするぐらいこわいと思います。『あらしのよるに』という本はとっても面白い話だから、もう1回読んでみたいです。
顔も合わせていないのに似ているからってお友達になる、というシチュエーション! たしかに面白いですよね。ましろちゃんが「もしも自分がヤギだったら……」と自分の立場に置きかえて考える読書のしかたは、きっとこれからの読書体験をどんどん広げてくれることでしょう。

大人が本気で泣ける絵本 ママにとっても一生ものの読書体験に

長く読み継がれる絵本は、子どものころだけでなく、思春期を超え、大人になったり、環境が変わったりするたびに読み返したくなるもの、そしてそのときどきで違う感想を抱けるものです。
9歳の男の子と6歳の女の子を子育て中の「6歳女児ママ」さんは、「あらしのよるに」シリーズの全7巻を2晩かけて読まれたようです。
軽い気持ちで読み始めましたが、言葉のもつおかしみに親のほうが止まらなくなり、2晩かけて読み終えました。6歳娘は「相手の気持ちを思うこと」ができるようになっていて、親として成長を感じました。「これじゃあメイの目標がダメだね」と言っていました。どうして「ひみつの約束」じゃなくなったのか、川に飛び込む意味は何か、は難しかったようで質問されました。最後、バーンとぶつかった時点でもうさよならと思い込んでぽろぽろ泣いていました。絵本で親子で泣くという貴重な経験をしました。
「絵本で親子で泣く」という経験は、お子さんにとってもママにとっても大事な宝物になるはず。6歳のときにたくさん質問したことに対し、もう少し大きくなったお子さんがどんな答えを出すのかも楽しみです。

9歳男の子、4歳女の子のママ「絵本好きママ」さんも大人のほうが泣きそうになってしまったそう。
子ども2人と一緒に読みました。読み聞かせている途中で、大人のほうが思わず泣きそうに……。「あらしのよるに」という合い言葉に、メイとガブの強い絆を感じる感動的なストーリーでした。読み終えたあとに子どもたちに感想を聞くと「悲しくなった」と話していましたが、それでも「新刊が読んでみたい!」と興味津々でした。
大人が「読んであげる」という構図になりがちな絵本の読み聞かせ。大人も子どももそれぞれに感動し、一緒に感想を共有できたのですね。こんな読み聞かせだったらつらくならず親も楽しめそうです。

「あらしのよるに」シリーズの1巻目の『あらしのよるに』は1994年に刊行。国語の教科書に掲載されたこともあり、当時読者だった子どもたちがママになったという声も聞かれます。
「女の子3人のママ」さんもそんなひとりです。
私が子どものときにも読んだ記憶がある本です。この機会に改めてひとりでじっくり読んでみると、食べる側と食べられる側の葛藤やそれでも友達でいたいという強い気持ちに感動しました。現実では子どもたち同士でなかなか本音が言えなかったり、上辺だけの関係も多く、トラブルも出てきたりしました。子どもたちにはぜひ、たった1人でも何があっても友達だと思える人を見つけて大切にしてほしいと思います。
母になり、改めて読み返してみて感動したという読書体験を共有してくれました。「あらしのよるに」シリーズの読書を通してママが感じた「友情」への考えかたが、3人のお子さんたちに伝わっていくのは本当に素敵です。これからも年齢を問わずたくさんの人に読み継がれていってほしいと思います。

新作「あいことばはあらしのよるに」刊行
「あらしのよるに」は種を超えた「友情」を描いた大人気シリーズ、新シリーズはさらに種を超えた「家族の絆」を描きます。いまの時代にこそ読んでほしい新シリーズ第1巻が刊行。

仲良しな2人なのに、実はおたがい隠している秘密が!? 疑いあってしまう2人の友情と新たな命の行方が気になる第1巻。ヤギとオオカミの壁を越えた友情から家族の物語へ……待望の新シリーズがスタート!
「あらしのよるに」シリーズ全7巻はこちら

AnyMaMa編集部
はたらきたいけれど、家族との時間や豊かな暮らしも大切にしたい。 そんなママの気持ちに寄り添ったライフスタイルを提案するママ活躍支援・社会復帰支援サービス 『AnyMaMa(エニママ)』。 ママがかわると、家族がかわる、世界がかわる。をコンセプトに、ママたちが子育てをしながら在宅ワークで安心して働ける環境を提供しています。 こちら「コクリコ」のAnyMaMa編集部では、さまざまな年齢の子どもを育てるママのリアルな視点で「読書を通して、子育て家庭の課題や困りごとを解決する」をテーマに記事を執筆。 育児に悩む子育て家庭のパパママに役立つ情報をお届けしていきます。 (AnyMaMaについてはこちら:anymama.jp Twitter: @AnyMaMaJP )
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