【1】追従性眼球運動
「追従性眼球運動」とは、眼でものを追って見る力。これを発達させるためのトレーニングを紹介します。
まずは揺らしたおもちゃを眼で追い、タッチするトレーニングから挑戦してみましょう。
子どもの好きなキャラクターの人形などを高いところから吊るします。おもちゃを揺らし、眼で追いながら指でタッチします。「眼で追うこと・手で触れること」を両方行うことが大切です。
キャラクターや指標(めじるしとなるもの)を眼で追う、簡単なトレーニングもおすすめです。
棒(鉛筆など)の先に、指標(めじるし)を貼り付けたものを用意します。棒の先にあるキャラクターや指標を動かして、眼で追います。
「指標(めじるし)には、お子さんが好きなアニメのキャラクターなどを貼り付けておくと良いかもしれませんね」(北出先生)
まずは顔から30cmほど離し、正面位置に指標を構え、じっくりと見つめます。その後、棒を左右上下にずらし、ずらした指標(めじるし)を眼で追います。
次に、棒を20cmほどの距離に近づけて、近づけた指標を眼で追います。
一連の動作のときに気をつけたいのは、体や顔は動かさず、眼球だけでペンの先を追わせること。このトレーニングでは、眼球のみを使うことがポイントです。
その他にも、迷路や間違い探しのワークや絵本もおすすめです。
迷路はゴールを探すために、道すじを眼で追う。間違い探しは、どこに間違いがあるか、左右の絵を往復して眺める。こうした動きは自然と「追従性眼球運動」のトレーニングになるので、日々の遊びに取り入れましょう。
【2】両眼のチームワーク運動
じーっと両眼で見つめる運動を実施してみましょう。
まずは、直径1cmほどのビーズを紐に通したものを用意します。このような道具は、「ブロックストリングス」という名前で販売もされています。
紐を柵などに引っ掛けてピンと張ったら、ビーズの間隔を図のように調整します。
その後、両眼でビーズをひとつずつ眺めていきます。いちばん遠くのビーズから始めて、段々と近くのビーズを見ていきます。
さらに、近くのビーズまで視点が戻ってきたら、また、いちばん遠くのビーズを見るようにします。
その後は、遠くのものと近くのものを交互に眺める動作のくり返し。視点を切り替える練習をするのです。
【3】視空間認知の運動
「視空間認知力」が弱いお子さんは、パズルやブロック遊びをくり返し行いましょう。ただし自由につくらせるのではなく、完成図の見本を与えて、それを見ながら真似をしてもらいます。この動作が効果を生み出すポイントです。
同様に、手芸用モールやジオボード、ペグボードで「形を再現するワーク」も効果的です。
手芸用モールなどを使い、お手本を真似して文字の形をつくるトレーニングも良いでしょう。
文字を書くことが苦手な子にはくり返し書いて練習するよりも、こうしたモールなどを使って、文字の「形」を再現させてみることで認知が進み、記憶の定着がしやすい一面もあります。
【4】眼と体の協応運動
ボディ・イメージが整っていないために、体の動かし方がつかめないお子さんには、大人が体で表したポーズを子どもに真似をしてもらう体操を実践しましょう。
その際に、大人が示しているポーズと子どもが真似したポーズが一致しているか、確認するのがポイントです。
上げている手や足の左右や角度を間違えていないかまで、チェックしてみましょう。
だんだん真似できるようになってきたら、スピードアップして動作を次々変えてみましょう。




































