「まごわやさしい」魔法のレシピ 子どもとすりすり「万能すりごまダレ」で一品完結ごはん

カンタン・高栄養・完食!#2【ごまの「ご」】「ごまたっぷりごはんとおやつ」

料理家:越野 美樹

ごまと彩り野菜をたっぷり使った主菜。 中央:豚しゃぶそうめん 両端:まぐろどんぶり  写真:越野美樹  
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キッチンが暑くてご飯なんて作る気がしない。子どもがいたら、手料理を作るなんて無理!
でも、子どもの成長のためには素材や栄養も気になるし……。

理想の食事との現実のギャップにお悩みの皆さん、「まごわやさしい」素材を意識して使えば、バランスがよくなりますよ。

まごわやさしい」とは、「め、ま、かめ(海藻)、さい、かな、いたけ、も」のこと。季節を問わず手に入る日本の伝統的な7つの食材です。

本連載では、この7種の食材を使い、子どもにお料理のお手伝いしてもらう秘密を伝授していきます。

第2回目の今回は、「ごま」のレシピをご紹介。子どもが自然とお手伝いしたくなるきっかけを作る「お手伝いポイント」も載せていますので、親子で一緒に楽しんでくださいね。

「まごわやさしい」魔法のレシピ 全7回を読む

白ごま、黒ごま、すりごま、いりごま、それぞれ料理によって使い分けて。  写真:越野美樹

我が家には欠かせないごま

暑いと食欲も落ち、品数も少なくなりがちです。基本調味料に加えて常備しておくと便利なのがごま。

ごまは「丸薬」と呼ばれるほど栄養価が高く、良質なタンパク質や脂質、ミネラルなどがバランスよく含まれ、不足しがちな栄養も補ってくれます。さらに香りが良く料理にコクを出してくれる、まさに万能食材。

我が家には欠かせない食材で、和え物はもちろん、おにぎりやチャーハンに混ぜたり、納豆やお味噌汁に加えたり、冷奴にかけたりと、毎日1回は使っています。

うまくできても、できなくても

私は小さい頃、よくごますりのお手伝いをさせられていました。当時は嫌々ながらやっていたのに、すりたてのごまのいい香りが忘れられず、今でも時間の余裕のある時にはごまをすります。

娘が小さかったある日、すり鉢でごまをすっていると、その動きに興味津々の様子。
 
「やってみたい!」と娘。

「すりこぎを丸く動かすのよ」と言っても、重いすりこぎを動かす作業はとても難しい様子でした。

一緒にすりこぎを持とうとすると怒るし、ごまは冷めてしまうと、もうすれません。

すっかり機嫌を損ねた娘。「もう一回温めるから、見てる?」と言うと、私が持つすりこぎの上にちょこんと手を添えながら、神妙な顔でその動きを見ていました。

ごまの香りは、すりたてが最高!  写真:越野美樹

「やりたいと言ったって、できないこともあるよね……」

そう思いながら、次はピーラーで野菜の皮をむいていると、さっそく「やりたい!」と娘。野菜の皮がむけていく様子がなんとも面白かったようです。

一緒にピーラーでにんじんの皮をむくと、皮じゃないところまで次々とむきたがります。「ピーラーサラダにしちゃおう!」ということで、どんどんやってもらうことにしました。

年齢によってできる作業は違うので、「やりたい気持ち」を大切にしながら、できる作業を見つけてあげることも大切だと思いました。

今回は、栄養満点のごまの万能だれを使い、子どもにピーラーのお手伝いをしてもらえる一品をご紹介します。

ピーラーでむききれないところは、包丁で切ります。  写真:越野美樹

彩り野菜たっぷり!ごまダレ豚しゃぶそうめんのレシピ

ごまダレをたっぷりかけた、彩りも栄養も豊かなそうめん。  写真:越野美樹

暑い日には、主菜と副菜が一緒にとれる、一品完結料理がいいですよね。

ご飯や麺などのエネルギーを作るもの、お肉やお魚、お豆腐などの体を作るもの、野菜や果物などの体の調子を整えるもの、これらがみんな入っているものが一度に作れたら最高です。

すりごまを使った自家製ごまダレと彩り野菜で、体に優しい豚しゃぶそうめん。ピーラーを使って子どもと一緒に作れる一品です。

一品完結でお腹も満たされ、心も体も大満足!

【材料】2人分
そうめん 200g
豚ロース薄切り肉 200g
きゅうり 1本
にんじん 半分
ミニトマト 4個
コーン 50g
A 米酢 大さじ2
A 醤油 大さじ2
A みそ 大さじ1
A 黒すりごま 大さじ2
A ごま油 小さじ1
B 酒 大さじ1
B 塩 小さじ1

【お手伝いポイント】
※ピーラーは包丁と同じようによく切れます。最初はにんじんやきゅうりをおさえてあげて、ピーラ一を一緒に持って作業しましょう。慣れてきても子どもから目を離さないようにしてください。

①    きゅうりとにんじんをピーラーでスライスしてもらいます。それぞれ縦半分に切ってまな板に置くと安定してスライスできます。
②    彩り野菜をそうめんにトッピング。自分で盛り付けたら、きっと野菜も食べてくれるはず。

【作り方】
1.ボウルにA(米酢、醤油、みそ、すりごま、ごま油)を入れて泡立て器などで混ぜておく。

2.鍋に2リットルの水を入れて沸騰させ、B(酒、塩)を入れて豚ロース薄切り肉を菜箸で一枚ずつ入れ、色が変わるまでゆで、ザルにあげて粗熱をとる。

3.きゅうりとにんじんは縦半分に切ってからピーラーでスライスする。ミニトマトは4等分に切る。

4.別の鍋に2リットルの水を入れて沸騰させ、そうめんをパラパラと入れて袋の表示通りに茹でる。流水でもみ洗いし、ザルにあげる。

5.器に4、2、3、コーンの順番に半量ずつ入れ、1をかける。

タレは多めなので、量を調整してください。冷蔵庫で1週間ほど日持ちします。  写真:越野美樹

思ったよりも楽ちん! 手作りドレッシングのススメ

子どもが小さいと食材を買っても使いきれず、無駄にしてしまうこともありますよね。

あまり使用頻度が高くない調味料類は、気がつくと冷蔵庫の中で賞味期限が切れてしまうこともしばしば。

我が家は、数々の無駄を重ね、今では基本調味料の「さしすせそ」である酒と本みりん、塩、酢、醤油、みそと、油以外の調味料はあまり置いていません。

基本調味料さえあれば、思ったより簡単にドレッシングやタレがさっと作れるからです。

「ドレッシングやタレを手作りする時間なんてない!」と思うかもしれませんが、じつはとっても簡単。いろんな種類のドレッシングを買うより、断然経済的です。

例えば、レタスサラダには塩と酢とオイルを、お好みで適量ふりかけるだけ。バルサミコ酢とオリーブオイルなら洋風、醤油と黒酢とごま油なら中華風ドレッシング、といった具合です。

今回ご紹介した自家製ごまダレも、ごまと基本調味料だけで作れるようにしました。手作りするメリットは、何より、自分や家族の好みの味付けにできること。

市販の合わせ調味料は味付けが濃かったり、添加物がたくさん入っていたりすることもありますが、手作りなら、子どもの発達段階に合わせて塩分なども微調整できるので、むしろ便利ですよ。

オリーブオイル、バルサミコ酢、乾燥ハーブ、こしょう、粉チーズを適当にかけたサラダ。  写真:越野美樹
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