【エピソード1】海の環境の多様化
──それでは“ビッグファイブ”、それぞれの「大絶滅」について教えてください。
矢部さん:1回目の大絶滅は今から約4億4400万年前、オルドビス紀末に起きた大量絶滅です。
この時代は陸にはまだほとんど生き物がおらず、海にいました。火山活動の影響を受けて地球全体が寒冷化し、海水準が大きく低下したことで浅海に棲む生物が大量に絶滅しました。
火山活動が起きると空気中に粉塵(火山灰)が舞い、太陽光を遮ります。すると、地球が寒冷化します。
火山の噴出物はガスが最も多いのですが、ガスの主成分はCO₂(二酸化炭素)、いわゆる温室効果ガスなので、地球は次第に温暖化して乾燥。また海中には循環がなくなり、酸素不足が起こるのです。
【エピソード2】陸上生態系の発展
矢部さん:1回目の大絶滅のあと、陸上の植物が多様に進化しました。やがて、植物の登場から1億年近くたったころ、とうとうワッティエザという、高さ8mにまでなる最古の高木植物が各地に広がったのです。
矢部さん:ワッティエザの登場で陸上に初めての森ができました。高木が根を張り、繁茂することで土壌がつくられます。
しかしこの土壌は、雨が降ることで海の中に流れこみ環境変化を起こしました。それに加えて、大規模な火山活動が発生したことにより気候が寒冷化。
これが2回目の大絶滅で、今から約3億8000万年前~3億6000万年前、デボン紀後期に起きました。























































































