話題の「おうちモンテッソーリ教育」が身近なもので「世界にはばたく力」を伸ばせる理由

#1 棋士・藤井聡太も幼児期に受けていたモンテッソーリ教育を基本から伝授

5 あくまで子どもが主体! 親はガイドだと心得て

モンテッソーリ教育をおこなっていくと、親は子に好奇心を強制できないと気づくでしょう。子どもの選択を尊重し、認めることが大切です。数字や虫、音楽、物語、ダンスなどに興味を示すかもしれません。子どもは、興味を持ったものに繰り返し夢中で取り組み、上達しようとするでしょう。

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子どもがなにに興味を持ったかをメモしておき、新しい教具を用意したり、これまでにない経験をさせたりして、興味を育てるようにしてみてください。子どもの目をとおして見ると、今までと違った世界が見えてくるかもしれませんよ。

6 整えられた環境で自立心を育てよう

乳幼児期に、整えられた環境のなかで自由を与えられると、自立心が育ち、自分のことを自分でするようになります。また、成長するにつれ、新しい経験や知識を探求する意欲が強くなります。自立心がなければ、見知らぬ人や文化、経験、場所、道具との出会いを求めようとはしません。独創的に自分を表現する自信もつきません。

7 子どもに敬意を払い、「あなたを見ているよ」と伝えよう

子どもに敬意を持つとは、「あなたは注意を向ける価値のある存在だ」と子どもに示すことです。時間を使い、子どもに注目し、子どもが成長する各段階を楽しんでください。

あなたのその敬意で、子どもは自信をつけ、自己肯定感を高め、探索する意欲を養っていきます。どれも、子どもの可能性を最大限に高めるために重要です。

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子どもだからといって、感情を真正面から受け止めなくていい相手とみなしてはいけません。「敬意を持つべき相手」として接します。

たとえば、よちよち歩きの子どもが転んでひざをすりむいたとき、多くの親は「心配いらないよ。大丈夫」と言ってなだめようとするでしょう。しかしそれよりも、ケガの状態をきちんと伝え、痛みはいずれ消えると教えるほうが良いのです。

「ひざが痛いよね。夜ごはんのころまでは痛いかもしれないけど、だんだん痛くなくなるよ」。こうすることで、順応性が育っていきます。

「敏感期」に、子どもに自信をつけさせる

モンテッソーリによる発達理論は、生まれてから24歳までの、認知面、精神面、道徳面、感情面、社会面、身体面といった、発達についての全体的な枠組みを示すものです。モンテッソーリは人間の成長を4つの段階に分け、どの段階にも6年の期間があるとしています。

乳幼児期(身体的自立)、児童期(精神的自立)、思春期(社会的自立)、青年期(心理的・道徳的自立)です。

モンテッソーリは第一段階を、子どもがさまざまなスキルを身につけ、興味を持つ「敏感期」としています。この時期に、子どもは意欲的に練習してスキルを習得します。

#2では、0~2歳におうちでできるモンテッソーリ教育をご紹介。身近なもので簡単にできるので、ぜひ挑戦してみてください。

取材・文/佐々木 奈々子

『0歳からのニューヨーク流 おうちでできるモンテッソーリ教育』
モンテッソーリ園と同じように教具を取り揃えなくても、身近にあるものでモンテッソーリ教育がおうちで実践できる! 細かな手順も満載です。

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