【リンゴ病】春から夏に急増傾向! 「妊娠中」に知っておきたいリスクと感染拡大の理由【医師監修】

#1 産婦人科医・柴田綾子先生に聞く「リンゴ病」~症状と胎児への影響~ (3/4) 1ページ目に戻る

産婦人科医:柴田 綾子

大人と子どもで違う リンゴ病の症状とは

──リンゴ病はどのような症状があらわれるのでしょうか。

柴田先生:子どもの場合は、まず風邪のような症状から始まります。発熱や咳、鼻水などが現れ、その1週間から10日後、頰に赤い発疹があらわれ、いわゆる“リンゴのほっぺ”になるケースが一般的です。

一方で、大人は症状が子どもと異なるため、注意が必要です。大人は症状があらわれるのがおよそ50%とされており、残りの半数ほどは自覚症状が出ないのです。

もし症状が出ても微熱や強い倦怠感、関節痛、手足のむくみなどが中心となります。子どもに見られるような、“リンゴのほっぺ”にはならないケースも多いですね。

──リンゴ病に感染しても風邪に似た症状や無症状の場合、気づくのが難しそうですね。

柴田先生:そうですね。たしかに症状だけではリンゴ病かどうかを見分けにくいケースも多いです。だからこそ、【周囲でリンゴ病が流行していないか】に目を向けつつ、流行期にはご自身の体調の変化に、いつも以上に気を配っていくことが大切です。

妊婦が感染した場合の胎児への影響

──妊娠中にリンゴ病に感染した場合、胎児にはどのような影響が起こるのでしょうか。

柴田先生:リンゴ病の原因「ヒトパルボウイルスB19」に妊婦さんが感染すると、胎盤を通して胎児にうつることがあります。ただし、母体が感染したからといって、すべての胎児に影響が出るわけではありません。

妊婦さんが感染した場合、胎児へ感染する確率は約20%。そのうち、胎児にも症状が発生するのは約20%。つまり、リンゴ病に感染した妊婦さんのうち、おなかの赤ちゃんに実際に症状が出るのは、約4%と考えられています。

──もし胎児が感染した場合、どのようなことが起こるのでしょうか。

柴田先生:まず起こり得るのは「胎児貧血」です。ヒトパルボウイルスB19は、赤血球の“もと”になる赤芽球(せきがきゅう)という細胞にくっついて、血液を作る働きを妨げます。そのため、胎児の中で十分な血液が作られなくなり、貧血状態となるのです。

貧血が進むと胎児の心臓に負担がかかり、胎児の全身にむくみが出る「胎児水腫(たいじすいしゅ)」へとつながる場合もあります。

胎児水腫になった場合も約3割は自然に軽快するとされていますが、重症になると心不全が進んで子宮内で亡くなるなど、流産や死産につながる可能性もあります。

妊娠初期はとくに注意が必要

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