
【国際バカロレア】 人気の「認定幼稚園」を徹底取材 幼児期に「概念的な理解」ができると「考え方の応用」が身につく理由
「国際バカロレア連載」 #2 PYP認定園『町田こばと幼稚園』
2025.04.29
日常の中で生きた英語を身につける

──園では、英語にも力を入れているのですか?
神藏先生:英語にはIBの認定前から取り組んでいます。言葉を覚えるだけでなく、文化の違いを感じることを目的としています。ただ、やり方は少し変わりましたね。
IB導入前は英単語を教える時間を定期的に設けていたのですが、今は週に2日、合わせて約2時間、ネイティブの先生に来ていただいています。英語のレッスンという形ではなく、一緒に遊んだり、散歩に行ったり、探究活動をする。その中で生きた英語が身につくようにしています。
中嶋先生:年少クラスは関係性を作るために毎回同じ先生に来ていただいていますが、年中と年長クラスでは、いろんな英語があることを知ってほしいので、国籍の違う3人の先生に交代で入っていただくようにしています。
──とても自然な形で英語に慣れ親しんでいるんですね。
神藏先生:幼児期は、国語や算数など教科ごとに区切られた学習ではなく、生活や遊びの中で、体験と実感を伴って多くのことを学んでいく時期です。
IBが薦める学び方は、まさにこういうことなんですね。幼児教育とIBは、そういう意味でとても相性が良いと感じています。
これから求められるのは、指示通りのタスクを実行する技術が身についているだけではなく、自分に自信を持ち、自らの頭で考え、周囲の人や自然環境にも思いやりの心をもって行動できる人です。そして、そのような人が、様々な課題を平和的に解決できる人間に成長するのだと思います。IBの学びを通じて、そんなふうに育ってほしいと願っています。
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『町田こばと幼稚園』では、子どもたちが遊びや生活の中で学ぶさまざまなことを、IBの枠組みでとらえ直すことで、自分の良さや友達の良さに気づき、思いやりと自信をもって成長していくことがわかりました。次回3回目では、国際バカロレア認定校である中高一貫校、『さいたま市立大宮国際中等教育学校』の教育内容をお伝えします。
撮影/安田光優
取材・文/北京子
町田こばと幼稚園
住所:東京都町田市本町田2904番地
電話:042₋723₋1494
https://www.m-kobato.ed.jp/
北 京子
フリーライター。 藤沢市在住。食の月刊誌の編集者を経て独立。食を中心に、SDGs、防災、農業などに関する取材・執筆を行う。 3児の母。自然の中で遊ぶこと、体を動かすこと、愛犬とたわむれることが好き。
フリーライター。 藤沢市在住。食の月刊誌の編集者を経て独立。食を中心に、SDGs、防災、農業などに関する取材・執筆を行う。 3児の母。自然の中で遊ぶこと、体を動かすこと、愛犬とたわむれることが好き。