数秒でできて、疲れスッキリ! 専門家が教える産後ママのための「仮眠メソッド」

ぐっすり眠れる「産後ママの睡眠術#2」

乳幼児睡眠コンサルタント:愛波 あや

少しの時間でも仮眠をすると、気持ちがすっきりします。写真:アフロ

睡眠不足は身体の疲労だけではなく、脳の疲労蓄積、幸福度の低下にもつながってしまいます。睡眠不足は良くないとはわかっているものの、産後は夜泣きで起こされてしまい長時間眠りたくても眠れない状況が続きますよね。

そんな睡眠不足に悩まされるママにおすすめしたいのが、仮眠です。「ほんの数十分でも仮眠をとることで、脳がリフレッシュされたり、眠気が改善されたりすることがわかっています」と話すのは、乳幼児睡眠コンサルタントの愛波あやさん。

連載第2回では、仮眠で得られる効果や、時間がないママでもすぐ始められる5つの仮眠方法、寝つきを良くするメソッドについて伺いました。
(全3回の2回目。1回目を読む

仮眠で得られる効果とは?

国立精神・神経医療研究センターの研究によると、長時間連続で起きていても、12時間おきに2時間の睡眠をとることで、ミスが減ったとの結果が出たそうです。

この研究結果から、短時間の睡眠でも身体の細胞の修復が行われたり、脳の老廃物が除去されたりするということがわかっています。また、30分未満の昼寝をする人は、昼寝をする習慣がない人に比べて、認知症の発症率が約1/7(※)に減少したという結果も。
※T Asada,et al., Associations Between Retrospectively Recalled Napping Behavior and Later Development of Alzheimer's Disease: Association with APOE Genotypes

つまり、仮眠は疲労回復や判断力・集中力アップ、気持ちがリフレッシュされるなどの効果が期待できるのです。

そもそも人間とDNAの配列が最も近いサルは、昼寝をよくするそうです。私たち人間も、お昼過ぎに眠くなるのは自然な生理現象といえるでしょう。

時間がないママでもすぐ始められる5つの仮眠方法

「研究結果をみると、30分くらいは昼寝をしたほうがいいのでは?」と思われるかもしれません。ですが、ほんの数秒でも仮眠は始められますよ。それでは、私が推奨する仮眠のとり方を5つ紹介しましょう。

1.数秒、目を閉じるだけのナノ・ナップ

子どもと遊んでいるときや職場のデスクなどで、ほんの数秒だけでも目を閉じて寝てみてください。そして目を開けると、少しだけ頭がすっきりしたり目の疲れがとれた気がしませんか? このように、数秒~数十秒目を閉じるだけでも仮眠の効果を得られます。

2.1分、目を閉じるだけのマイクロ・ナップ

電車に乗っているときや職場のデスク、トイレでもすぐにできる仮眠方法です。生活をしていると、特に意識していなくても、目からさまざまな情報が入ってきますよね。そうした視覚情報は脳で処理しています。つまり、目を開けているだけで絶えず脳は働いているのです。そのため、1分間目を閉じるだけで、脳を休ませることができますよ。

3.10分間のミニ・ナップ

10分以上の仮眠をとると、眠気や疲労感が減ったり活気が出たりするという研究結果があります。10分であれば、子どもが昼寝しているときや電車の中、昼休みなど、さまざまな場面でできますよね。私はよく、仕事の合間や車の中でミニ・ナップをとっています。10分でもとてもリフレッシュできますよ。

4.20分間のパワー・ナップ

パワー・ナップは、仮眠の効果を特に多く得られるので、できれば毎日取り入れていただきたいくらいです。方法は、正午から午後3時までの間に20分間仮眠するだけ。

こちらもミニ・ナップなどと同様に、椅子に座った状態でもOKです。子どもが昼寝したとき、最初の20分をママの仮眠タイムにするのでもいいでしょう。パワー・ナップをしたあとは、頭が冴えたり疲れがとれたりと、その効果を実感できるはずです。

5.90分間のホリデー・ナップ

ホリデー・ナップは、寝不足が続いているときにおすすめです。椅子に座った状態や車の中などではなく、ソファやベッドなどに横になって仮眠をとりましょう。日頃の寝不足が解消され、元気を取り戻せるはずです。

ただし、夜にしっかり眠ることがベストですので、ホリデー・ナップをするからといって夜更かしをするのはやめてください。夜にまとまった睡眠をとれず、寝不足が続いているときなどだけにしてくださいね。

また、夜の睡眠の妨げにならないよう、午後3時~4時までには起きるようにしてください。

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