
【産婦人科医監修】妊娠2ヵ月(妊娠4週~7週)の症状は? 初めての産婦人科受診はいつ行くべき?
【妊娠初期シリーズ②】産婦人科医に聞く、妊娠2ヵ月(4~7週)のつわりと症状、初めての産婦人科受診と産院選びのポイント (4/4) 1ページ目に戻る
2025.10.27
産婦人科医:柴田 綾子
腹痛や出血があったら? 知っておきたい危険なサイン
全妊娠の約15%で流産が起こるといわれており、特に妊娠12週までは流産が起こりやすい時期とされています。
その多くは胎児の染色体異常によるもので、どれだけ安静に過ごしていても流産してしまうことがあります。これは、ママの努力で防げるものでも、予想できるものでもありません。
また、妊娠初期に注意したいのが「子宮外妊娠(異所性妊娠)」です。本来、受精卵は子宮内膜(子宮の中)にたどり着いて着床しますが、卵管など子宮外の場所に着床して成長し始めてしまうことがあります。残念ながら、異所性妊娠では赤ちゃんは出産まで育つことができません。
さらに、卵管で受精卵が途中まで育っていると、細い管状の卵管はその大きさに耐えられず破裂し、お腹の中で大出血をおこすことになります。お母さんの命に関わるため、早期に医師に見つけてもらうことが大切です。
流産や異所性妊娠になる可能性は誰にでもあるため、産婦人科の受診が必要な危険な2つのサイン、①腹部の強い痛み、②多量の出血を知っておきましょう。
この2つの症状がある場合、流産や子宮外妊娠(異所性妊娠)の可能性があるため、早急な受診が必要になります。
一方、出血が少量で腹痛も軽く、心拍が確認できているなど正常な妊娠の判断がされている場合には、経過観察になることもあります。
妊娠検査薬で陽性が出たら、必ず医師の診断を受けましょう。妊娠5週~6週ごろに産婦人科を受診するのは、妊娠を確認するだけでなく、正常な位置で赤ちゃんが育っているかを確認するためにも重要となります。
月経が来ず、なんとなく不調が続く場合も、まず妊娠検査薬を使って妊娠の確認をしてみましょう。というのも、月経不順の方や忙しい方は妊娠に気づくのが遅れやすい傾向にあります。
早めに妊娠を知ることで、生活習慣の見直しや受診のタイミングを逃さずにすみます。
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妊娠2ヵ月は、妊娠検査薬やエコー検査によって妊娠がわかる時期。また、妊娠2ヵ月後半には、エコー検査で小さな心臓が動く様子が確認できるかもしれません。自分の体に新しい命が宿っていることが確認できたら、体調の変化に注意しつつ、ママはゆっくり過ごせるといいですね。
取材・文/メディペン(広田沙織)
妊娠初期の症状は全4回。
妊娠1ヵ月『妊娠のサイン・過ごし方・注意点』を読む
妊娠3ヵ月『つわりのピークと乗り越え方』を読む(2025年10月28日よりリンク有効)
妊娠4ヵ月『過ごし方と「安定期」の注意点』を読む(2025年10月29日よりリンク有効)
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メディペン
医療ライターズ事務所。 看護師、管理栄養士、薬剤師など、有医資格者のライターが在籍。 エビデンスに基づいた医療記事を得意とするほか、医療×他業種の記事を手掛ける。 産婦人科関連、小児科、皮膚科、医療系セミナーレポートや看護師専門サイトの記事の実績多数。 medipen
医療ライターズ事務所。 看護師、管理栄養士、薬剤師など、有医資格者のライターが在籍。 エビデンスに基づいた医療記事を得意とするほか、医療×他業種の記事を手掛ける。 産婦人科関連、小児科、皮膚科、医療系セミナーレポートや看護師専門サイトの記事の実績多数。 medipen




































柴田 綾子
世界遺産15カ国ほど旅行した経験から母子保健に関心を持ち産婦人科医となる。2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修し2013年より現職。 女性の健康に関する情報発信やセミナーを中心に活動中。1児の母。 主な共著『患者さんの悩みにズバリ回答! 女性診療エッセンス100』(共著/日本医事新報社)、『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社)など。
世界遺産15カ国ほど旅行した経験から母子保健に関心を持ち産婦人科医となる。2011年群馬大学を卒業後に沖縄で初期研修し2013年より現職。 女性の健康に関する情報発信やセミナーを中心に活動中。1児の母。 主な共著『患者さんの悩みにズバリ回答! 女性診療エッセンス100』(共著/日本医事新報社)、『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社)など。