40代で結婚・初産! イラストレーターたかぎなおこさんに聞くアラフォーからのリアルな子育て

【若くないママでもいいことがたくさんある #1】不安もあるけど、仕事と育児を楽しむ毎日

赤ちゃんの心拍数に奇跡を感じて

妊活が始まってから、病院通いや健康面に気を配り続けてきたたかぎさんでしたが、5月の新緑がまぶしい季節に、ようやくうれしい報告ができるときがやってきます。

「毎朝、基礎体温を測って、排卵期を確認しながら、妊活を続けていました。

そしてゴールデンウィークが明けたころ、検査薬を試したら陽性反応が! 思わず寝ていた夫を起こしてまで伝えました」(たかぎさん)

妊活から半年後に陽性反応があり、しばらくは落ち着かない日々を過ごしていましたが、さらに3週間後に赤ちゃんの心拍数も確認でき、正式に妊娠が判明。

「奇跡だー! 」と飛び上がって喜んだたかぎさん夫婦。しかし喜んだのも束の間、高齢出産は流産率も高いため、次の健診までの期間が長く感じられ、不安でいっぱいになったとも話します。

提供:KADOKAWA/メディアファクトリー

妊娠中も仕事は続行。体調の変化はあってもペースは落とさず、なんとか続けたといいますが、できるだけおとなしく過ごしました。また、食生活は今まで以上に気を配り、なるべく生ものを避けて、旅行を控えるなど、おなかの赤ちゃんのことを第一に考えていました。

「“早く安定期になって! 早く出産予定日になってほしい!”とずっと思っていたのですが、思い返すとせっかくならあのころに、妊婦さんだけのヨガやマタニティフォトを撮っておけば良かったかなと思います」(たかぎさん)

現代は、妊婦経験が生涯で1度きりという人が多いうえに、貴重な時間はどんなに長くても十月十日で終わってしまいます。そのときにしかできないことを、もっと楽しい気持ちで過ごすこともできたのでは、とたかぎさんは振り返りました。

この子に会うのは今がベスト! 私たちが出会ったタイミング

だんだんとつわりが落ちつき、好きなものが食べられるようになったころ、たかぎさんは子どもが生まれたあとの少し先の未来を想像し、不安になっていたといいます。

それでも最後はいつも明るく、気持ちを入れ替え、夫婦だけの時間も大切にしました。

「どんなに頑張ったところで若返るわけでもないし、私たちが出会ったタイミングが40代で、このときでなければできなかった子だったわけだから、若くない親だけど、それゆえの良さもあるかもしれないと思い直しました。

私たちは相撲観戦も好きなので、もしかしたら渋い趣味の子が生まれて親子で一緒に楽しめるかも、なんてワクワクもしたんです」(たかぎさん)

提供:KADOKAWA/メディアファクトリー

生まれるまでの間、夫婦でハンドメイドの服作りや木材でおもちゃを作るなど、赤ちゃんのためにできる準備をして、楽しみにしていました。

そしてとうとう、その日は訪れます。

待ちに待った待望の赤ちゃんの誕生! しかし、予定日を4日過ぎ、いざ陣痛のような痛みが来ても間隔がバラバラで、病院に行くタイミングがよくわからず、しばらくは自宅で様子を見ることに。その間にどんどん痛みは増していきました。

「おなかや腰がすごく痛み、病院に1度目に行ったときはまだ早いと家に帰されて、“ウソでしょう~!”と涙目にも。もう痛くて眠ることもできない状態で、一晩耐え抜きました。

翌朝、病院に行くとすでに破水していると言われてびっくり! 破水は、勢いよくバシャーと出るものと思っていたのですが、私はじわじわくるタイプだったようで気がつかず、このまま我慢していたら、赤ちゃんは危なかったかもとヒヤリとしました」(たかぎさん)

手に汗にぎる初出産ストーリーは続きます。

次回は出産とその後についてを紹介。“仕事の復帰はいつから? 子育てとの両立はいかに!?”人気イラストレーターによる初のママライフを追っていきます。

─◆─◆─◆─◆─◆─◆

◆たかぎなおこ
三重県四日市市出身のイラストレーター。美術系短大およびデザイン専門学校卒業後、名古屋市のデザイン会社を経て1998年に上京。『150cmライフ。』でイラストエッセイデビュー。2024年新刊『体力アップ1年生』(KADOKAWA)発売。
オフィシャルHP ホクソエム https://hokusoem.com/

取材・文/飯塚まりな

『若くないママでもいいことがたくさんある』の連載は、全2回。
2回目を読む
※公開日までリンク無効

24 件