名作『あらしのよるに』出版30周年 「音楽劇」がキャスト一新 白石隼也&南野巴那W主演で再々演決定!

種を超えた友情を描いたきむらゆういちとあべ弘士の名作『あらしのよるに』出版30周年! 新キャストを迎え「日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2024」にて音楽劇『あらしのよるに』の上演が決定

「日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2024」上演される音楽劇『あらしのよるに』の主演をつとめる白石隼也さん(左)と南野巴那さん(右)。 写真:曳野若菜

出版30周年を迎えた『あらしのよるに』(作:きむらゆういち、絵:あべ弘士)。その舞台版、音楽劇『あらしのよるに』が、主役キャストを一新して、2024年8月24日、25日の「日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2024」で再々演されます。

ガブ役は仮面ライダーウィザードで主演し、その後もさまざまなドラマや映画、舞台に出演している白石隼也さん。メイ役は、NHKEテレ『にほんごであそぼ』“のはーな”役をはじめ、映像や舞台で活躍する南野巴那さん。新キャストの2人に、出演決定のよろこびや作品の魅力をインタビューしました。

互いに弱い部分を助け合って生きていくガブとメイに感動

──出演が決まったときは、どんな気持ちになりましたか?

白石隼也さん(以下、白石さん):子ども向けのお芝居に興味があったので、とてもうれしかったです。

南野巴那さん(以下、南野さん):小さいころから読んだり観たりしていた作品なので、信じられないくらいうれしかったです。

──当時読んだときと、大人になってから読んだときでは、印象が違いましたか?

南野さん:オオカミは怖い生き物だと思っていたので、絵本を読んで優しいオオカミもいるんだ、お友達になれるなんていいなと思っていました。ですから、ガブとメイの関係を、単純に「優しいオオカミと元気なヤギ」と受け止めていました。でも大人になって改めて絵本を読み、ガブは体が強いけれども心はすごく優しくて、逆にメイは、体が弱いけれど心が強いことに気づいて。お互いに弱い部分を助け合って生きていく姿や関係性に、改めて感動しました。

──白石さんは、脚本を読んでどう感じましたか?

白石さん:ガブもメイもチャーミングでかわいいなと思いました。そのかわいさとは裏腹に、生きるためにヤギを食べるオオカミと、オオカミに命を狙われるヤギという「自然の摂理」、その種族同士の争いや共存もしっかりと描かれていたので、大人でもとても考えさせられるストーリーがおもしろかったです。

“うまいえさ”を誤解しているおかしな会話シーンを演じるのが楽しみ!

──原作や脚本を読んだガブの印象は?

白石さん:ガブは心が優しく、自分の中に正義というか、絶対に譲れないものを持っています。それがあるから、群れからはぐれてひとりで暮らしているのかなと思いました。僕もそういうタイプなので、ガブに共感しましたね。きっとガブは、自分の気持ちと他者を思い遣る気持ちの両方を持ち合わせているからこそ、だれも傷つけないためにひとりでいることを望んだのだと思いますが、どこかで寂しいとも感じていて。その中で、ヤギの群れから離れたメイと、少しずつ友情を育んでいきます。人間もそうですが、オオカミもヤギも群れで生活する生き物。やっぱり、仲間同士支え合って生きていく必要があるので、メイとの関係性を大事にお芝居できたらなと思いました。

南野さん:ガブは、本当に心が優しいし、なによりも我慢強いですよね。メイといっしょにいるときには、すごく食欲を我慢していて(笑)。

白石さん:確かに(笑)。劇中のところどころで、ガブがヤギを食べたいな~と思いながらも、メイはともだちなんだから食べちゃいけないと葛藤するところは、ガブのかわいらしい一面がよく出ているシーンなんですよね。そこを、楽しくなるように演じられたらいいなと思っています。

南野さん:私もです。私の好きなシーンが、ガブとメイが初めて出会ったときに、暗闇でおなかがへったと話をするところ。お互いに相手が同族だと思い込んでいるから、“うまいえさ”という言葉にガブはヤギを、メイはおいしい草とまったく違うものを想像して話すので、会話のちぐはぐな感じがすごくおかしくて。2人とも誤解したまま意気投合して、再会を約束してお別れをするまでの流れを演じるのを、今から楽しみにしています。

まっくらな小屋の中でおしゃべりをするガブとメイ(絵本『大型版あらしのよるに』より)

──メイの印象はいかがですか?

南野さん:天真爛漫で怖いもの知らずの、のんき者です。メイは小さいころにお母さんを亡くしているのですが、仲間から「かわいそう」と言われるのが嫌で、いつも明るく振る舞っています。好奇心も旺盛で、危ないところにも平気で探検に行ってしまう、無邪気な面もありますね。

白石さん:メイは心が強い。ガブはオオカミの仲間に合わせて生きてきたけれど、メイはきっと、自分の考えで行動をしてきたんだと思います。自分がいつ食べられてもおかしくないオオカミと仲良くするのは、すごく勇気がいることだったと思いますが、メイは自分でそうすると決めて行動している。その強さがすごいなと思います。

原作絵本をめくりながら、ガブとメイの印象について話す白石隼也さんと南野巴那さん。 写真:曳野若菜

音楽や風や雪などの表現にも注目!

──音楽劇『あらしのよるに』で注目してもらいたいポイントはなんですか?

白石さん
:生演奏の音楽は、ぜひ楽しみに聴いていただきたいですね。そして「劇」ということで、風や雪なども人間の動きで表現しているところがポイントです。美しい背景の絵があるアニメとは違うので、うんと想像力を働かせて観ると、心の中でどんどん物語の情景が鮮やかになっていると思います。僕たちガブとメイだけではなく、舞台にいる他の役者さんのパフォーマンスにも注目してください。

南野さん:種族が違い、食う者、食われる者という関係性のガブとメイが、どんな状況で出会い、命をかけてお互いを守り合うような深い友情を育んでいくのかという物語の流れを、じっくりと楽しんでもらえたらうれしいです。きっと、小さなお子さんも大人もそれぞれ感じる部分があると思います。そして、大切な人を思うときに、『あらしのよるに』に登場するいろんなシーンを思い出してもらえたらいいなと思います。

写真:曳野若菜

公演情報

日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2024
音楽劇『あらしのよるに』

上演日程:2024年8月24日(土)~25日(日) 11:00/15:00の2回

会場:日生劇場(東京都千代田区有楽町1‐1‐1)

料金(税込):〈S席〉大人5,000円/子ども2,500円 〈A席〉大人4,000円/子ども2,000円
※3歳未満入場不可。子ども料金は、3歳以上中学生以下が対象となります。

上演時間:約2時間(休憩含む)

出演:ガブ:白石隼也、メイ:南野巴那、ギロ:阿南健治 、おばさんヤギ:平田敦子、タプ:木原浩太、バリー:吉﨑裕哉 、ミィ:しらたまな ほか

演奏:鈴木光介(トランペット)、砂川佳代子(クラリネット)、関根真理(パーカッション)、高橋 牧(アコーディオン)、日高和子(サックス)

スタッフ:
原作:きむらゆういち
脚本・演出:立山ひろみ、音楽:鈴木光介(時々自動) 、振付:山田うん

主催・企画・制作:公益財団法人ニッセイ文化振興財団[日生劇場]
協賛:日本生命保険相互会社、
※やむを得ない事情により出演者等が変更になる場合があります。予めご了承ください。

チケット購入 
Web:https://famifes.nissaytheatre.or.jp/ticket/
※日生劇場窓口でのチケットのお取り扱いはございません。

原作情報

『完全版 あらしのよるに』
作:きむらゆういち 絵:あべ弘士

350万人が夢中になった「あらしのよるに」シリーズ7巻が、この一冊でイッキに読める!!

オオカミのガブとヤギのメイの友情物語に感動した子どもたちも、もう大人になっているはず。「あらしのよるに」を次の世代に手渡すために、そして、あらためて読みなおして味わうために……。
7巻分の物語が一冊で読める、「完全版」の登場です。

大型版あらしのよるに全7巻
編:講談社

多くの賞を受賞。映画化・舞台化され、教科書にも掲載、学校の図書館でも大人気の「あらしのよるに」が、迫力の大判で登場。読み聞かせにぴったりです!

子どもたちだけじゃ、もったいない!
「あらしのよるに」シリーズ7冊

児童書の世界では大人気のこの作品、こんどは大人が夢中になる番です。

〈1〉あらしのよるに──奇妙な友情はなぜ生まれたか?
〈2〉あるはれたひに──友情は食欲に勝てるか?
〈3〉くものきれまに──秘密の友だちって、いろいろたいへん。
〈4〉きりのなかで──仲間か? 友だちか? それが問題だ。
〈5〉どしゃぶりのひに──生きるためには、うらぎりも必要なのか?
〈6〉ふぶきのあした──この友情は、もう誰にも止められない……。
〈7〉まんげつのよるに──2ひきの友情ははたして永遠?