映画「窓ぎわのトットちゃん」が「アヌシー国際アニメーション」で特別賞受賞 黒柳徹子さんの自伝小説初のアニメ化作品

原作2510万部超でギネス世界記録™認定 日本アカデミー賞/優秀アニメーション作品賞に続く栄誉

©黒柳徹子/2023映画「窓ぎわのトットちゃん」製作委員会

映画「窓ぎわのトットちゃん」が特別賞を受賞 アヌシー国際アニメーション映画祭

黒柳徹子さんの自伝小説を初めてアニメ化した「映画『窓ぎわのトットちゃん』」が、フランスで開かれた国際アニメーション映画祭で、長編映画コンペティション部門の特別賞にあたる、ポール・グリモー賞を受賞した。

毎年6月初旬に、フランス南東部の都市アヌシーで開催されている「アヌシー国際アニメーション映画祭」。2024年は、注目度の高い長編映画コンペティション部門に世界各国から全12作品がノミネート。日本作品は、「映画『窓ぎわのトットちゃん』」のほか、「きみの色」(山田尚子)、「化け猫あんずちゃん」(久野遥子/山下敦弘)、「屋根裏のラジャー」(百瀬義行)の4本がノミネートされていた。

第47回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞に続く栄誉 世界で愛される「トットちゃん」

「映画『窓ぎわのトットちゃん』」は「ドラえもん」の映画・テレビシリーズで知られる八鍬(やくわ)新之介が監督・脚本をつとめ、シンエイ動画が制作。トットちゃんを始めとしたキャラクターデザインは金子志津枝が担当。日本アニメ界におけるトップクリエイターたちが集結して、珠玉の名作の映画化に挑んだ。

日本での映画公開は、2023年12月8日。黒柳徹子さんご本人の協力を得て、昭和初期のトットちゃんの暮らしぶりを丁寧に描写。透明感のある、瑞々しいキャラクターの肌の表現にこだわるなど、技術的な面でも高い評価を得ており、2024年1月25日には、第47回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞している。

原作の書籍『窓ぎわのトットちゃん』は、黒柳さんが自身の幼少期を自伝的に描いた小説。1981年に発売され、世界中で2510万部も読まれる国民的ベストセラー。

42年ぶりに続編「続 窓ぎわのトットちゃん」が刊行(2023年10月3日)されたほか、「もっとも多く発行された単一著者による自叙伝」としてギネス世界記録に認定(2023年12月14日付)されるなど、今も注目を集める名作として知られている。

▲「トットちゃん」こと、女優・司会者でユニセフ親善大使も務めている黒柳徹子さん〈写真:出版にまつわるすぐれた表現活動が評価され令和5年度野間出版文化賞(第5回)を受賞。贈呈式(2023年12月15日)のスピーチで笑顔を見せる様子〉

1960年から始まったアヌシー国際アニメーション映画祭では、過去に宮崎駿や高畑勲、湯浅政明などが、長編部門の最高賞「クリスタル賞」を受賞。ポール・グリモー賞は、2023年の「夏へのトンネル、さよならの出口」(田口智久)に続いて、2年連続で日本の作品が受賞となった。

アヌシー国際アニメーション映画祭2024 上映作品(日本製作)

【コンペティション】
長編部門:

「化け猫あんずちゃん」久野遥子/山下敦弘
「きみの色」山田尚子
「窓ぎわのトットちゃん」八鍬新之介
「屋根裏のラジャー」百瀬義行

コントルシャン部門:
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」古賀豪

短編部門:
「カワウソ」泉原昭人
「みじめな奇蹟」折笠良

TV&Webシリーズ部門:
「ポケモンコンシェルジュ“エピソード2:What's on Your Mind”」小川育
「ゾン100 ~ゾンビになるまでにしたい100のこと~:アキラ オブ ザ デッド」川越一生

卒業制作部門:
「Return」チン・リントウ(多摩美術大学)
「ヤポラポンキー」木原正天(多摩美術大学)

VR部門:
「耳に棲むもの」山村浩二

【非コンペティション】
アヌシー・プレゼンツ部門:
「がんばっていきまっしょい」櫻木優平
「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」永岡智佳
「SAND LAND」横嶋俊久
「ルックバック」押山清高
「劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-」石川俊介

ミッドナイト・スペシャル部門:
「死が美しいなんて誰がいった」中島良

「映画『窓ぎわのトットちゃん』」あらすじ

落ち着きがないことを理由に、小学校を退学になってしまったトットちゃん。

新しく通うことになったトモエ学園の校長先生は、出会ったばかりのトットちゃんに優しく語りかけた。

「君は、ほんとうは、いい子なんだよ。」

トットちゃんの元気いっぱい、すべてが初めてだらけの日々が始まる───

トットちゃんの愉快な日常を通して見えてくる、日々のささやかな幸せ、個性の豊かさ、恩師からの教え、家族・友人への深い愛情。約80年前、第二次世界大戦を背景に激動の時代を生きた「トットちゃん」の姿をみずみずしく描くアニメ作品。

映画「窓ぎわのトットちゃん」Blu-ray豪華版ジャケット
©黒柳徹子/2023映画「窓ぎわのトットちゃん」製作委員会

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映画 窓ぎわのトットちゃん ストーリーブック(黒柳徹子/原作、 八鍬新之介/監督・脚本、鈴木洋介/共同脚本)

「窓ぎわのトットちゃん」について

<新しい学校の門をくぐる前に、トットちゃんのママが、なぜ不安なのかを説明すると、それは、トットちゃんが、小学一年生なのにもかかわらず、すでに学校を退学になったからだった。一年生で!!>

女優・ユニセフ親善大使である黒柳徹子さんが自分自身の小学生時代をえがいた『窓ぎわのトットちゃん』。

徹子さんが子ども時代に出会った、小林宗作先生とトモエ学園での思い出をいきいきと描いた本作は、1981年3月に刊行され、たちまちベストセラーとなりました。

現在までの累計発行部数は日本国内で800万部、全世界で2510万部を突破。20以上の言語で翻訳もされ、日本だけでなく世界中の人々の心を捉え、時代も国境も越えたロングセラーとして、今もなお世代を越えて愛され続けています。

小林宗作先生が作ったトモエ学園のユニークな教育と、そこに学ぶ子どもたちの姿を描いた本書は、「こんな学校に通いたい!」「こんな先生と出会いたい!」と、令和のいまも人々のあこがれの気持ちをかきたてます。

原作のあとがきで見る「トットちゃん」のあゆみ

八鍬監督のインタビュー記事はこちら

くろやなぎ てつこ

黒柳 徹子

Tetsuko Kuroyanagi
女優・ユニセフ親善大使

東京・乃木坂に生まれる。父はヴァイオリニスト、NHK交響楽団のコンサートマスター。 トモエ学園から香蘭女学校を経て東京音楽大学声楽科を卒業しNHK放送劇団に入団。NHK専属のテレビ女優第1号として活躍。その後、文学座研究所、ニューヨークのMARY TARCAI(メリー・ターサイ)演劇学校などで学ぶ。 アメリカのテレビ番組、ジョニー・カーソンの『ザ・トゥナイト・ショー』など、多くのアメリカのテレビ番組に出演。また、タイム、ニューズウイーク、ニューヨーク・タイムス、ヘラルド・トリビューン、ピープルなどに日本の代表女性として紹介される。日本で初めてのトーク番組『徹子の部屋』は49年目をむかえる。著作『窓ぎわのトットちゃん』は800万部というベストセラーの日本記録を達成。アメリカ、イギリスなどの英語圏、ドイツ、ロシア、中国語圏、アラビア語圏など、20以上の言語に翻訳される。日本語版の印税で社会福祉法人トット基金を設立。プロの、ろう者の俳優の養成、演劇活動、手話教室などに力を注ぐ。ユニセフ(国連児童基金)親善大使としてアフリカ、アジアなどを訪問。メディアを通して、その現状報告と募金活動などに従事。日本ペンクラブ会員。ちひろ美術館(東京・安曇野)館長。東京フィルハーモニー交響楽団副理事長。日本パンダ保護協会名誉会長など。文化功労者。   (写真/下村一喜)       

東京・乃木坂に生まれる。父はヴァイオリニスト、NHK交響楽団のコンサートマスター。 トモエ学園から香蘭女学校を経て東京音楽大学声楽科を卒業しNHK放送劇団に入団。NHK専属のテレビ女優第1号として活躍。その後、文学座研究所、ニューヨークのMARY TARCAI(メリー・ターサイ)演劇学校などで学ぶ。 アメリカのテレビ番組、ジョニー・カーソンの『ザ・トゥナイト・ショー』など、多くのアメリカのテレビ番組に出演。また、タイム、ニューズウイーク、ニューヨーク・タイムス、ヘラルド・トリビューン、ピープルなどに日本の代表女性として紹介される。日本で初めてのトーク番組『徹子の部屋』は49年目をむかえる。著作『窓ぎわのトットちゃん』は800万部というベストセラーの日本記録を達成。アメリカ、イギリスなどの英語圏、ドイツ、ロシア、中国語圏、アラビア語圏など、20以上の言語に翻訳される。日本語版の印税で社会福祉法人トット基金を設立。プロの、ろう者の俳優の養成、演劇活動、手話教室などに力を注ぐ。ユニセフ(国連児童基金)親善大使としてアフリカ、アジアなどを訪問。メディアを通して、その現状報告と募金活動などに従事。日本ペンクラブ会員。ちひろ美術館(東京・安曇野)館長。東京フィルハーモニー交響楽団副理事長。日本パンダ保護協会名誉会長など。文化功労者。   (写真/下村一喜)