黒柳徹子と天才子役が初対面! トットちゃん役への「意気込み」と叶えたい「夢」

映画『窓ぎわのトットちゃん』トットちゃん役 大野りりあなさんインタビュー

編集者・ライター:山口 真央

トットちゃん役を演じた大野りりあなさん。「トットちゃんと自分には似ているところがある」と話します。

黒柳徹子さんが1981年に書き下ろした、自伝的小説『窓ぎわのトットちゃん』。

発売から40年以上経っても愛され続けるこの小説は、20以上の言語に翻訳され、全世界での発行部数は約2500万部!

そんな大ベストセラー小説が、2023年12月、アニメーション映画として公開されます。

主役の声に選ばれたのは、7歳(2023年8月現在)の大野りりあなさん。5歳のときに『窓ぎわのトットちゃん』に出会い、この物語が大好きになったそうです。

りりあなさんは、どんなことがきっかけで『窓ぎわのトットちゃん』を手にしたのでしょうか。また、トットちゃんを演じたときの気持ちや、黒柳徹子さんに初対面したときのことなど、りりあなさんのリアルな気持ちをうかがいました。

いつか『徹子の部屋』で徹子さんとおしゃべりしたい

大野りりあなさんが、5歳のときに『窓ぎわのトットちゃん』を読んだのは、夢を叶えるためでした。

──『窓ぎわのトットちゃん』の物語を知ったのはいつですか。

大野りりあなさん(以下りりあな、敬称略):5歳のときに、アナウンサーや俳優になってみたいと思って、芸能のお仕事をはじめました。初めてのことばかりで不安になっていたとき、お母さんが『窓ぎわのトットちゃん』の本を渡してくれたんです。

トットちゃんは学校がかわっても、毎日とっても楽しそう! 新しい環境のなかでも、頑張れば成功できると知って、勇気をもらいました。

だから、トットちゃん役のオーディションのことを聞いて「絶対やりたい」と思ったんです。オーディション会場では本物のマイクに興奮して、テンションがあがっちゃいました!

──元気いっぱいお話しできたのが、よかったのかもしれませんね。トットちゃんを演じてみて、どうでしたか。

りりあな:私とトットちゃんは、似ているところがあるなって思います。たとえば、おしゃべりするととまらなくなるところ。どんどん楽しくなって、3時間45分ぐらい話しちゃうこともあります(笑)。

アフレコはとっても楽しかったです。特に、トットちゃんが早口でおしゃべりするシーン! 監督さんに「こうすれば、もっとトットちゃんみたいになれるよ」とアドバイスをもらいながら頑張りました。

アニメの動きに合わせて話すのは難しいときもあったけど、トットちゃんを演じれば演じるほど「こんな子なんだ」って、トットちゃんのことがわかって。前よりもっと、トットちゃんのことが好きになりました。

トットちゃん役を演じた大野りりあなさん。アフレコ中は監督と相談して、アドリブを入れることもあったそうです。

──すばらしい感性ですね! 『窓ぎわのトットちゃん』の作者、黒柳徹子さんにはお会いしましたか。

りりあな:はい、一度だけお会いすることができました。お部屋に入ったら、徹子さんがソファに座っていてびっくり! でも徹子さんが話しかけてくれたり、握手もしてくれて、どんどん楽しくなりました。

いつか『徹子の部屋』に遊びに行ってみたい。もし叶ったら『窓ぎわのトットちゃん』のお話がしたいです。「本当にこんな子だったんですか」とか、「このときはどんな気持ちだったんですか」とか。聞きたいことがいっぱいあります。

本を読むのが大好き! SDGsや戦争について学びたいです

夏休みは、長野県安曇野のちひろ美術館にあるトットちゃん広場に行ってみたいと話すりりあなさん。夏の間に、タピオカの味の研究もしてみたいそう。

──5歳で『窓ぎわのトットちゃん』を読んだとのことですが、いまも読書はしていますか。

りりあな:学校で本を読む取り組みがあって、1日に3、4冊は読んでいます。最近読んでおもしろかったのは『マララのまほうのえんぴつ』(ポプラ社)。トットちゃんのお話もそうだけど、おもしろいだけじゃなく、いろんなことを学べる本を読むのが好きです。

最近はSDGsにハマっていて、どうすれば世界中がいい環境になるのか、書いてある本が読んでみたい。あとは戦争のことがわかる本も読んでみたいです。

──『窓ぎわのトットちゃん』にも、戦争のお話が書かれています。読んだとき、どう感じましたか。

りりあな:お父さんから、戦争がどんなものか教えてもらっていましたが、日本でも戦争があったことは、トットちゃんの本を読んでから知りました。

お話を読んだときは、涙が止まらなくなってしまって。大切な人や場所を失うのに、なぜ起きてしまうんだろうって思いました。みんなが一つになって、平和な世界になってほしいです。

映画『窓ぎわのトットちゃん』でも戦争のシーンや、トットちゃんのお友達に起こるつらいシーンがありました。演じるときは悲しい気持ちになってしまうけれど、映画を見た人に感動してもらえるように頑張りました。

トットちゃんを演じた経験を思い出し、「声を出すと映像に入り込んじゃう」と話すりりあなさん。これからの活躍にも期待です。

──『窓ぎわのトットちゃん』には、トットちゃんに「君は、ほんとうは、いい子なんだよ」と声をかける小林宗作先生が出てきます。もし目の前に小林先生がいたら、りりあなさんはどうしますか。

りりあな:『窓ぎわのトットちゃん』には、トットちゃんの長いお話を、小林先生が聞くシーンがあります。もし小林先生が私の目の前にいたら、私もトットちゃんみたいに、小林先生に全部のことを話したいですね。小林先生に「うん、うん」って優しくうなずいてほしいです。

トモエ学園がいまもあったら、絶対に通ってみたい! 電車が教室になっているのも楽しいし、自由にやりたいことができるから。個性あふれるお友達と一緒に学べることも、いいなって思います。

お泊まりとか肝試しとか、いろんな体験ができるのもおもしろそう。悲しいことがあっても、見守ってくれる小林先生がやさしくて。そんな小林先生と、トットちゃんのお話が本当に大好きです。

映画が公開したら、子どもも大人も、みんなで一緒に観にきてほしい。そして小林先生がつくった素敵な学校のことを、たくさんの人に知ってもらいたいです。私が『窓ぎわのトットちゃん』から勇気をもらったみたいに、観てくれた人たちに勇気や笑顔を届けられたらうれしいです。

映画『窓ぎわのトットちゃん』は2023年12月8日に公開!

©黒柳徹子/2023映画「窓ぎわのトットちゃん」製作委員会

黒柳徹子さんの自伝的小説が、この冬、アニメーション映画になります!

監督を八鍬新之介さん、キャラクターデザインを金子志津枝さんが手掛け、シンエイ動画がアニメーションを制作。日本アニメ界におけるトップクリエイターが集結し、映画化が実現しました。

第二次世界大戦が終わる少し前の時代を背景に、トットちゃんのまわりで巻き起こる幸せと深い愛情の物語。この冬、トットちゃんが日本中に感動と愛情をお届けします。

続報は公式ホームページにて随時公開中! ぜひチェックしてみてくださいね。

映画『窓ぎわのトットちゃん』特報 <2023年12月8日(金) 公開>

夏休みの読書にぴったり! 『窓ぎわのトットちゃん』

第二次世界大戦が終わるちょっと前まで、実際に東京にあった小学校「トモエ学園」と、そこに通っていた女の子、トットちゃんのことを描いたお話です。

「君は、ほんとうは、いい子なんだよ」校長の小林先生は、この言葉をトットちゃんに、繰り返し言ってくれました。その言葉は、トットちゃんの心の中に、大いなる自信をあたえてくれたのです。

映画『窓ぎわのトットちゃん』で、主演をつとめた大野りりあなさんも、5歳のときに夢中になってこの小説を読み、勇気をもらえたと話します。

トモエ学園の、子どもたちの心をつかんだユニークな教育の実際と、そこに学ぶ子どもたちの姿を描いた感動の名作。この夏、すべての子どもに読んでほしい物語です。

撮影/柏原 力(講談社写真部)

やまぐち まお

山口 真央

編集者・ライター

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。