読み聞かせする気力も体力も残ってない…… そんな夜におすすめの1冊『つかまえた!』
読み聞かせが辛い…… そんな疲れた夜におすすめの1冊『つかまえた』 1日の終わりに、親子でほっとする時間をつくる絵本とは?
子育て中のママがふと思う「あぁ、ひとりになりたい…」という気持ち。
でもこの言葉をお子さんにに直接言ったことのあるママは、ほとんどいないのではないでしょうか。
子どもが生まれたあの瞬間から、私たちは自分の感情は二の次にしてまずは子どもを優先させるクセがついてしまい、「私はこうしたい」と一人称で語るのは「いいママじゃないから」と封印するのが当たり前になってしまいました。
そんな呪縛を自分でかけていることにすら気づかず、ストレスだけが溜まる悪循環な毎日。
4歳の男の子と1歳の女の子を育てているときの私は、まさにそんな状況でした。
たまたま4歳の息子のためにと母から贈られた『しりたがりやのこぶたくん』。
この本には5つの短いお話が収録されていますが、中でも「ひとりでいたいの」は主人公の「こぶたくん」ではなく、その「かあさん」にスポットライトが当たっているお話です。
Any MaMa編集部(スタッフライターH.K :5歳、8歳と田舎で暮らすかあさん)
お洗濯やお掃除などの家事をがんばっているこぶたくんの「かあさん」。そこにこぶたくんと妹のアマンダがお手伝いしに来てくれますが、すべて裏目に出てしまい、結局は台なしになります。
心の折れてしまったかあさんは子どもたちに「ひとりでいたいの」と言います。
そして庭で子どもたちを遊ばせている間、自分は木の上の椅子に座って、ひとり何もしない時間を作ります。
こぶたくんが何度か「かあさん、さびしい?」と問いかけるシーンがあります。
多くのママは子どもを悲しませまいと「うん、さびしいな」と笑顔で取り繕うかもしれません。
でもかあさんはこう言います。「いいえ、さびしくないわよ」
呪縛に囚われていた私は、最初は「こぶたくんのかあさんは、なんてクールなんだろう。これは子どもの心を傷つける対応なのではないか」と思いました。
しかしひとりの時間を過ごしたかあさんは最後にはこう言います。「かあさんもこぶたくんやアマンダといっしょにいたくなったわ」
そしてみんなでお風呂に入るのですが、そこでのかあさんは子どもたちと一緒にアワアワになりながら笑顔になっているのでした。
ママだからと言って自分の気持ちを押し殺して無理を重ねるよりも、子どもに素直に自分の気持ちを伝えること。
そのとき、決して子どものせいにするのではなく、ママ自身を主語にして「かあさんはひとりになりたい」と言うのが大切なのだと気づかされました。
少し離れることで、心から「いっしょにいたくなったわ」と思えて、そのあとの時間を楽しく過ごせるなら、それは子どもにとっても一番幸せなことだと思うのです。
私はこのお話を読んでからこぶたくんのかあさんのように自分の気持ちを正直に伝えられるようになり、罪悪感を抱くことが少なくなりました。
この本には「かあさんの休日」というお話も収録されており、「ママをちょっと休む」ことをやさしく後押ししてくれます。
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