「効果的な読み聞かせ」 3つの秘訣〔時間・書目・方法〕を国立小・元司書教諭が伝授
【「絵本」でことばを育み心を耕し国語力の素地を養う#2】親子で一緒に楽しむことから始まる読書習慣
2024.10.08
スピードも速く、情報があふれる慌ただしい日常を過ごす子どもたち。子どもたちにとって、いったい絵本をいつ読み聞かせるのが効果的なのでしょうか?
➡【秘訣1】就寝前など、ゆったりできる時間帯がベスト
読み聞かせのタイミングは、ゆったりとした気分で、肩の力を抜いてホッとできる時間が良いですね。私は、自身の経験から、就寝前の時間をおすすめします。
夕食や入浴、歯磨きなどすべて済ませた後、好きな絵本を持って、寝室へ向かいます。ふとんやベッドの上に横になり、1冊の絵本を読み聞かせすることから始めるのがいいでしょう。
もちろん畳の上に寝転がったり、親の膝の上やソファーに座ったりしてでも構いません。時間は10~15分ぐらいがいいですね。眠りにつくまでの短い時間で良いので、楽しみながら毎日続けることが、何より大切です。
私自身、二人の子どもを育てましたが、ふとんに入って一緒に絵本を読むのは私の役割でした。むしろ役割というよりも、任せてもらえてありがたい時間といったほうがピッタリで、毎晩の楽しみでした。
保育園や小学校で思い切り遊んできた子どもたちと、仕事でへとへとになった私が、一緒にふとんに入って絵本を読んでいるのですから、そろって寝落ちしてしまうことも数え切れないぐらいありましたが、絵本の読み聞かせ時間は、子どもたちとコミュニケーションをとることができる大切な時間でした。
就寝前の読み聞かせは、落ち着いて絵本と向き合うことができますし、ついつい宵っ張りになりがちな習慣を防ぎ、子どもが日々健やかに育つ手助けにもなります。親子ともにスマホを持ってふとんに行くのは避けたいですね(齊藤先生)。
【就寝前に絵本を読む際のポイント】
●絵本を持ってふとんに行く(これが一番大事!)
●読み聞かせ自体を親子で存分に楽しむ
●ゆったりとした気持ちで読み進める
●読み聞かせは、短い時間(10~15分程度)でOK
●時間ではなく、「絵本1冊」のような約束が実際的
●眠りにつきやすいように明るすぎる部屋はNG
●ページが隠れない(子どもが読みやすい)ように絵本を持つ(置く)