「効果的な読み聞かせ」 3つの秘訣〔時間・書目・方法〕を国立小・元司書教諭が伝授
【「絵本」でことばを育み心を耕し国語力の素地を養う#2】親子で一緒に楽しむことから始まる読書習慣
2024.10.08
次に、齊藤先生に寄せられる質問で多いのが、「どんな絵本を選んだら良いですか?」といったものだそう。
➡【秘訣2】初めのうちは、親が子どもの興味・関心に沿って選んであげよう!
まずは、年齢や興味に合った絵本を選ぶことが重要です。内容やイラストが子どもたちにとって魅力的で、理解しやすいものを選びます。
リズムや音楽的要素がある絵本も良いです。読み手の声のリズムに合わせてページをめくると、物語の流れが自然に感じられます。また、ことばや場面の繰り返しがあるお話も好きですね。特に年齢の低い子はその傾向があります。
それから、絵本は一度読んだら終わりではありません。何度でも繰り返し読んで楽しむことができます。私の子どもも、同じ絵本を繰り返し選んできたので、何度も読みました。何度も読み返すことで、私自身も新たな発見があったり、その絵本を大好きになったりしていきました。
くれぐれも「またこれ?」なんて言わないでくださいね。子どものリクエストを第一にしてあげてください。お気に入りの絵本があるなんて、すてきなことですよね。
読み聞かせを習慣化するために、週末は本屋さんや図書館に足を運び、1週間分の絵本を選ぶのもおすすめです。
初めのうちは、親が子どもの興味・関心に沿って選んであげるのがいいですが、次第に、子どもたち自身に、読みたい絵本を選んでもらうようにするといいですね。
図書館では、季節に合わせて絵本を展示したり、テーマに合わせて絵本を紹介したりしているコーナーがあります。年齢に合わせたおすすめ絵本のリストを、図書館がつくってくれていることもあります。そのような情報を上手く活用して、子どもたちと図書館を楽しんでみてください。
もちろん、図書館司書の方に聞いてみるのもおすすめです(齊藤先生)。
私たちは、春夏秋冬がはっきりしている日本で生活しています。ですから、季節ごとの行事や、その季節に出合える植物や昆虫、野菜や果物などに着目した絵本を選ぶのも楽しいです。お天気に着目するのもおすすめです。
夏祭り、お月見、収穫、紅葉、お正月、節分、春一番、五月晴れ、梅雨、木枯らしなど、日本ならではの言葉や習わしが出てくる絵本もたくさんあります。
保育園や幼稚園、小学校での生活とつながっていることも多いので、子どもたちは興味をもって読み聞かせを楽しむことでしょう。
子どもが小学生の場合は、子どもの教科書をのぞいてみるのもいいですよ。関連する内容の絵本や同じ作者の絵本を選ぶことで、学校での学習にもプラスの影響を与えてくれることでしょう(齊藤先生)。