今すぐできる「眼の筋トレ」子どもの「読み書き・運動」の苦手を改善する方法【専門家が解説】

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眼の運動機能「チェックリスト」

今まで「不器用だから」「きちんと見えてないのかも」と思っていた我が子の一つひとつの行動。実は「眼の運動機能」が影響しているのかもしれません。

眼の運動機能のチェックは、米国を発祥とした「オプトメトリスト」という専門トレーナーの判断をあおぐことが一番ですが、日本ではまだ多くはいない状況です。そこで、北出先生が「眼の運動機能」をセルフチェックする方法を教えてくれました。

以下のチェックリストをもとに、当てはまるものに○をつけてみましょう。

『新装版 発達障害の子のビジョントレーニング』(監修:北出 勝也)より
『新装版 発達障害の子のビジョントレーニング』(監修:北出 勝也)より

【「読む」のカテゴリー】
1:音読で行をとばす。同じところを何度も読む。読んでいる場所がわからなくなる
2:読むときに、非常に長く時間がかかる
3:読むときに、頭や体を大きく動かす
4:計算はできるが、文章題になると理解することが難しい。答えが出せないことがある
5:読んだり書いたりするときに、頭を本やノートに非常に近づける

【「見る」のカテゴリー】
6:近くを見るときに、頭をななめにして見ようとする。片眼をおおって見る
7:しきりにまばたきをする。眼をこする。眼を細めて見ようとする
8:作業中や話を聞くときなど、集中して見ることが苦手で、たえず視線を動かしている
9:近くを見る作業を嫌がったり、さけたりすることがある
10:両眼が外側によったり内側によったりして、同じ方向を見ていないことがある
11:黒板に書かれた文章をノートに書き写すことに時間がかかる

【「書く」のカテゴリー】
12:漢字をなかなか覚えられない。鏡文字など、書き間違いが多い。似た字を間違える
13:ひし形など、書くことが苦手な図形がある。図形の問題が苦手

【「見て動く」のカテゴリー】
14:文字を書くときにマスからはみ出す。読めないくらい形が整わない文字を書く
15:筆算で、けたをそろえて書き、計算するのが難しい。位がずれることがある
16:小学2年生以上で、靴をはくときなどに、左右を間違えることがある
17:球技が苦手で、投げられたボールをうまく受けとることが難しい
18:はさみを使って直線上や曲線上をうまく切ることができない。不器用
19:ダンスや体操で、まねをして体を動かすことが苦手
20:方向認識が悪く、よく道に迷う

4つの特徴と必要な支援・トレーニング

あなたはどの程度チェック項目に○がつきましたか?

この20の質問項目のうち、1~5、6~11、12~13、14~20とそれぞれ苦手な運動機能の特徴で4つのカテゴリーに分けられています。

各特徴に対応するトレーニングとその方法も次の章で紹介するので、ぜひチャレンジしてみてください。

【1】1~5に○が多くついた人
この項目に○がついた人は、文字や文章を読むことに苦手さがあるかもしれません。これらは眼球運動の発達に大きく関わってきます。文字を追ったりたどったりする眼球運動のトレーニングをしてみましょう。

【2】6~11に多く○がついた人
この項目に○がついた人は、見ることに苦手さがあるかもしれません。両眼のチームワークやピントの調整力が未熟だと、ものを注視することが難しくなります。眼球運動全般の基礎的なトレーニングと両眼のチームワークのトレーニングが必要です。

【3】12~13に○が多くついた人
この項目に○がついた人は、視空間認知の能力が未発達なのかもしれません。見たものを認識したり、記憶したりする力が弱いため、文字や図が書けていない可能性があります。情報処理機能や認知機能のトレーニングをしてみましょう。

【4】14~20に○が多くついた人
この項目に○がついた人は、主に情報処理や手入力機能が未発達の可能性がありそうです。ボディ・イメージが整っていないために体の動かし方がわかっていないのかも。このボディ・イメージのトレーニングに挑戦しましょう。

今すぐできる4タイプ別「眼の筋トレ法」

では、【1】~【4】の項目に○が多くついた人がどんなトレーニングをすると良いのでしょうか。

それぞれ具体的な内容を見ていきましょう。

ポイントごとにわかりやすく解説!
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