「読書」が子どもの脳に与える好影響 「妻のトリセツ」の黒川伊保子さんが解明
人工知能研究者がすすめる楽でリーズナブルな子育て #2 しあわせ脳を育てるファンタジーの力
2024.04.02
人工知能のエンジニアである黒川伊保子さん。働く女性の先陣であり、“脳”のスペシャリストでもある彼女が、息子を授かって決めた「『しあわせな天才脳』を育てる」という指針。
彼女のいう「しあわせな脳」に欠かせない要素として挙げられているものが“読書”。世間の多少の理不尽は“読書”が解決してくれる、と言い切るほど、その信頼は絶大。今回は、そんな読書の効能についてご紹介します。
「しあわせ脳」をつくる「金のルール」については、こちら
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黒川伊保子
長野県生まれ。奈良女子大学理学部物理学科を卒業。富士通ソーシアルサイエンスラボラトリで人工知能の研究に従事したのち、株式会社感性リサーチを設立。世界初の語感分析法を開発し、多くの商品名やマーケティング戦略を手がけ大ヒットに導く。また、人間の思考や行動をユーモラスに語る筆致によりベストセラーも多い。
「ある日突然、魔法使いに…」体験が子どもを強くする
読書は、脳に、日常生活では手にできない、豊かな体験を与えてくれる。
子どもたちの脳にとって読書は、日常体験とそう変わらずに、脳に知識化されていく「仮想体験」なのである。
脳は、夜ごと、起きている間の体験や学びの記憶を知識構造に換えている。そう思うと、できるだけ豊富な生活体験を与えてやりたいけど、「アメリカ人の少年として、大型犬と暮らす生活」とか「お母さんが病気で、寂しがる妹を励ましながらも心細い生活」なんて、そう体験させてやれないでしょう? だから読書で、「脳の体験」を増やしてやるのである。
本の中の出来事は、子どもたちの脳にしてみたら、あたかも自分が体験したことのように知恵やセンスの源になっていく。