
「11時間保育」は大人でも疲れる…保育の専門家・大豆生田先生が教える「帰宅後の修羅場」の処方箋
育児の「困った」を解決する4つのポイント【長時間保育#後編】 (4/5) 1ページ目に戻る
2026.06.27
家での過ごし方は保育園をヒントに
【1】家で子どもに問題行動が出る(叩く、嚙み付く、泣き止まない……)
園から帰ってきてバタバタと家事を進める中で、子どもたちの言動が乱れてしまう……ちょっとしたことから泣き止まなくなったり、親にガブリと嚙み付いたり、きょうだいを叩いたり。「私がちゃんと子育てできていないからでは?」と保護者は自分を責めてしまいがちですが、大豆生田先生の見解は違います。
「思いが満たされずに子どもが抱えているものを、親の前で出せているのは、悪いことではありません。そうして出せるだけ、子どもが家では安心できているということ。まず、保護者の方は自分を責めないでください」
そんなときにはなるべく言葉と体で、子どもを受け止めてあげる。泣いている場合は「悲しくなっちゃったんだね」「つらかったんだね」などと言葉をかけて抱きしめたり、手が出る場合は子どもの気持ちをゆっくりさせることをしたり(絵本を読んだり)など、いったん落ち着けるようにします。
「保護者の方も疲れている中だと、受け止めるのも難しいですよね。それも分かりますので、可能な範囲でやってみてください。気になることがあったら園でも相談しましょう」
【2】家で作るご飯を食べない
せっかく作った食事を食べなかったり、遊び食べをしてしまったり。ついついイライラして「じゃあ食べないでいい」と下げてしまう……けれど、食べないで健康や成長に影響が出たらどうしよう? そんなときは園のやり方が参考になる、と大豆生田先生は言います。
「たくさんの子どもたちを見ている園の先生は『その子に応じて』のプロでもあります。食事なら、こう声かけしたら最後まで食べられる、この順番だと食べ進められる、というその子なりのやり方を知っています。まったく同じようにはできなくても、一つの手がかりになりますよ」
園では食べるけれど家では食べない、という場合、給食のレシピを真似するのも一案です。園は給食内容の報告だけではなく、よかったら真似してくださいね、の意味を込めて伝えています。
「睡眠も同じで、〇〇ちゃんの場合はこうするといい、という情報をシェアしてもらってください。逆におうちでのやり方を園に伝えると、園からも喜ばれると思います。園と家庭は子どもを一緒に見守る『共育て』のパートナーですから」
【3】早く早く!と急かしてしまう
19時に帰ってきて、21時には子どもを寝かせて、そのあとは持ち帰りの仕事をして……夜のルーティンをこなしていく中、子どもが遊びをなかなかやめられない。
早く早く!と急かして、言い返す子どもにまたイライラが募って、気がつけば大声を出し合ってしまう。毎晩が修羅場のようになってしまうという相談は、大豆生田先生もよく受けています。
「忙しい毎日で、本当に大変ですよね。でも早く早く!と急かすのは逆効果。親子がお互いに荒れていって、修羅場モードになってしまいます」
そんな負のスパイラルを抜け出すには、どうしたらいいでしょう。
大勢の子どもが決まったスケジュールで生活する保育園では、保育士たちは「分かったー」と子どもの希望を一度受け止める、というやり方をするそうです。
「子どもは気持ちをある程度受け止めてもらえると、気持ちの切り替えができるようになります。保育士たちはまずは子どもの願いを受け止めて、そのあとで大人の希望を伝えていきます」
それがやりたいんだね、分かったよと受け止めたあと、「時計の針があそこまで進んだら」「ママが洗い物をやって戻ってきたら」など、具体的な目安を伝えてみる。そのときは「作業中の同僚に伝えるときはどうするか」と考えてみるのも一案です。
「大人同士だって、何かの作業をやっている最中に急かされたらムッとしますよね。キリのいいところまでやってしまいたい、あともう少し、という思いになりませんか? 同僚に『早く早く!』と言わないように、子どもにも言わない。それは子どもを一人の人間として見てその思いや願いを尊重する、子どもの権利の尊重と直結します」
ここで一つ気をつけたいのは、具体的な目安が「おどし」にならないこと。
あと10数えたら終わりね、とカウントダウンでおどすようなやり方は、子どもにはパターンが見えてしまいます。
「声かけもそうですが、子育てのヒントをマニュアル化してしまうと、保護者はそれで子どもをコントロールしようとしてしまいます。コントロールしたくなる気持ちは分かりますが、それは子どもの尊重とは正反対。まず受け止める、を大事にしてください」
【4】週末や休日はどう過ごす?
平日に一緒に過ごす時間が少ないと、休日や週末には、家族でどこかに連れていってあげたくなるのも親の心情。テーマパークやキャンプを目指して何時間も車に乗って、親も子もグッタリ疲れ切る……なんてことも。
これって本末転倒では? 長時間保育を利用する親子は、週末をどう過ごすのがよいのでしょう。

































