「ハンバーグは玉ねぎなしでOK!」“見るだけ料理教室“主宰者が教える「料理のしんどさを軽減」する方法
シリーズ「賢人に学ぶ『家族のごはんがしんどい』から解放されるヒント」#2‐2 「お気軽料理サロン」主宰・本多理恵子さん~マインド編~
2023.08.11
「お気軽料理サロン」主宰:本多 理恵子
会社勤めをしていたころも、業務効率化を考えるのが好きだったと言う本多さん。料理の工程で省いたことの一つが、ハンバーグやミートボールを作るときの「玉ねぎのみじん切り」です。
「野菜のみじん切りには、『ぶんぶんチョッパー』というアイテムを使いますが、それすら面倒なときがあります。だったら、みじん切りにした玉ねぎを入れなくてもハンバーグやミートボールをおいしく作れたらいいと思って試してみたんです。
まずは、ビニール袋にパン粉と牛乳を入れてよくもんだら、挽き肉を加えてさらにもみます。その肉ダネを手頃な大きさに分けて成形して鍋に入れ、トマト缶を加えて一緒に煮込む。そうしたら、玉ねぎなしでも充分においしかったんですよ」(本多さん)
ビニール袋と鍋があればできるので、後片付けの手間も省けます。肉ダネは分割して丸める工程も省いて、丸ごと鍋に入れてしまってもいいそうです。
「おしゃれな鍋で煮込めば、そのままテーブルに出すこともできます。肉ダネの中にチーズを入れて、食べる前にナイフを入れたらチーズがトロリと出てくるような演出をしたら、お子さんたちも喜んでくれると思います。
これぞ、手間を省いた分、楽しさが加わった『ものは考えようレシピ』です(笑)」(本多さん)
材料から玉ねぎを省いた分、野菜が足りないと感じたときの対処法もあるそうです。
「そういうときは、“ちぎり野菜”を入れるといいですよ。ほうれん草やキャベツ、白菜、しめじなどを手でちぎったり裂いたりして、パーッと鍋に放り込めばOKです。これなら、包丁やまな板を使わずにすみますよね」(本多さん)
定番レシピが根強いハンバーグのような料理でも、作り方をひと工夫するだけで、ラクに楽しくオリジナルハンバーグができる。本多さんのアイデアには驚かされます。
「私はできるだけ、料理にしんどさを加えないようにしています。例えば、料理のしんどい工程の一つに、エビの下ごしらえがあります。一つひとつ殻をむくのは手間ひまがかかるけど、食卓に出したら、一口でパクッと食べられてしまう。そう考えると、殻をむきながら嫌になることもあります。
それなら、最初からむいてあるエビを買ったり、ちくわなど別の食材に置き換えたりしたほうがいいと思います」(本多さん)
料理のしんどさを軽減できれば、「がんばって作ったのに家族の反応が薄い」のように、家族に一方的に期待してがっかりしてしまうケースも避けられそうです。
「私は料理が苦手で、好きじゃないんです。料理上手な方の作ったものを見ると本当にすごいと感心しますが、『料理が得意じゃない派の代表』だからこそ、できることがあると思っています。
それから、私は『手間を省いてもこれだけおいしくできるよ』というレシピを考えて、人に伝えるのが好きなんです。先ほどのオリジナルハンバーグにしても、ナイフを入れて中からチーズがとろけ出たときに『わあ!』と喜んでもらえたら、それだけで『ふふん、どう?』と、うれしくなってしまいます」(本多さん)
「自分には無理だ」と気後れしてしまうようなレシピでなく、料理が苦手な人でも「やってみようかな」と思えるレシピや方法を提示してくれる。「料理が得意じゃない派の代表」の言葉は、優しく背中を押してくれます。
第3回は、本多さんが得意な「効率化」を活用した料理をやめる際の3ステップについて伺います。
取材・文/畑 菜穂子
畑 菜穂子
1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona
1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona
本多 理恵子
2007年鎌倉で「Café Rietta」を開業。「お気軽料理サロン」主宰。『料理が苦痛だ』(自由国民社)で第6回料理レシピ本大賞 in Japan 料理部門【エッセイ賞】を受賞。書籍やTV出演などメディアを通じて料理をメンタル面からサポートする活動をしている。 著書に『ようこそ「料理が苦痛」な人の料理教室へ』(KADOKAWA)、『ごはん作りの絶望に寄り添うレシピ やる気0%からの料理術』(エムディエムコーポレーション)など多数。 ●HP:Café Rietta ●Instagram cafe.rietta ●Facebook Cafe Rietta
2007年鎌倉で「Café Rietta」を開業。「お気軽料理サロン」主宰。『料理が苦痛だ』(自由国民社)で第6回料理レシピ本大賞 in Japan 料理部門【エッセイ賞】を受賞。書籍やTV出演などメディアを通じて料理をメンタル面からサポートする活動をしている。 著書に『ようこそ「料理が苦痛」な人の料理教室へ』(KADOKAWA)、『ごはん作りの絶望に寄り添うレシピ やる気0%からの料理術』(エムディエムコーポレーション)など多数。 ●HP:Café Rietta ●Instagram cafe.rietta ●Facebook Cafe Rietta