「食べたいものは自分で作る!」をモットーに、料理家・越野美樹さんが「日本の伝統食材」を使ったレシピを提案する連載。
ロハス、エシカル、SDGsなどのオシャレな横文字ではなく、毎日のベタでリアルな生活の中から生まれた身近な知恵……。
小さい子がいて忙しくても、ゆるく続けられる台所仕事の「MOTTAINAI」を、具体的な実践方法を交えてお伝えします。
14回目のテーマは、「もち」。
子どもが喜ぶメニュー、トッポギ風もち炒め、もちピザ、フルーツ大福の3種をご紹介します。
思わず一緒に作りたくなる「お手伝いポイント」も載せていますので、親子で一緒に楽しんでくださいね。
「MOTTAINAI」 台所から未来の子どもを支えるごはん 全シリーズを読む
おもちに飽きたら……
今年もお正月にお餅を食べましたか?
つい買いすぎてしまって、持てあましていませんか?
おもちは焼いてお醤油と焼のりをつけてそのままいただいても美味しいですが、あまり続くと手が遠のいてしまいます。
おもちに飽きたら、ちょっと違う食べ方を考えてみると、家族みんなが楽しめるお料理に変身しますよ。
今回は、子どもも喜ぶ、あまったおもちのアレンジ料理3選をご紹介します。
ところで、なぜお正月におもちを食べるのかご存知でしょうか?
おもちレシピの前に、おもちの豆知識をご紹介します。
もちの豆知識
おもちはもち米からできていますが、通常、ご飯として食べているうるち米ともち米の違いは、デンプンの性質です。
うるち米の成分はアミロースが20%、アミロペクチンが80%ほどですが、もち米の成分はアミロペクチンがほとんど。
アミロペクチンは粘度が高く、お米がもちになるのに必要な成分です。
もち米を精米して浸水し、水気を切ってから蒸し、つくとおもちになります。
おもちの歴史は古く、稲作の伝来とともに東南アジアから伝来したといわれています。
稲作信仰のあった日本では、おもちは神聖なものとしてハレの日に食べられてきました。
お正月に飾る鏡餅は、新年の神様である「歳神様」が宿る場所で、三種の神器である鏡に見立てられています。
このように、おもちはもともと丸い形ですが、江戸時代に平たく伸ばしたもちを切り分ける製法が生み出されました。
例外はありますが、関ヶ原あたりから西は丸もち、東は角もちが今では一般的で、境界線あたりにある県・地域では、両方の形が使われているところもあります。
お正月に食べるお雑煮も、全国でいろいろな食べ方がありますね。
お正月に食べきれずにあまったおもちは、アレンジしていただくのがオススメです。