子どものネット問題 「うちの子に限って大丈夫」は要注意! 親子の向き合い方や対処法を専門家が解説

「コクリコ」オープンから3年 「パパママを助けた」記事を大特集 【「ネットトラブル」「スマホ依存」「ゲーム障害」編】 

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私たちの生活を豊かにしてくれるインターネット。しかし日々進化し続けるインターネットでは、子どもの写真を無断投稿されたり、誹謗中傷の被害者・加害者になってしまう、などトラブルも形を変えて増えていることも事実。ネット上だけでなく、「スマホ依存症」「ゲーム障害」など日常生活に支障をきたすリスクもあります。そうなると、どの程度親が制限をかけるべきか悩んでしまいますよね。

日常に当たり前な存在になったからこそ、どのようなリスクがあるのか改めて考えていく必要があります。ネットリテラシーを身につけ、親子で賢くインターネットと付き合っていきましょう。

子どもの約7割が5歳からインターネット利用

コクリコでは、「コクリコラボ」(※)において、子どものインターネット端末の利用についてアンケートをとりました。
※ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa LIFESTYLE.Lab」との共同プロジェクト

結果から見えたのは、なんとインターネットを利用している子どもの約7割が5歳までにインターネットデビューしていたということ。また子どものネットリテラシーは不十分なため、各家庭でさまざまな工夫をとっていることも分かります。指定した時間を超えると強制的にインターネット端末が使えなくなる「管理ツール」や、勉強後のごほうびとしてインターネット端末を使わせるといった「家庭ルール」も。

「今のインターネットの使い方で良いのかな?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

子どものスマホ 親のチェックは“当たり前“は要注意

トラブルに巻き込まれないよう、子どもがインターネットで何をしているのかつい気になってしまうのが親心。「スマホを見せなさい」「LINEを見せなさい」と子どもに言い、チェックしている方もいるのではないでしょうか。

教育学者であり、日本大学教授の末冨芳(すえとみ・かおり)先生は、「スマホチェックすることが“当たり前”だと思っている方は要注意」だと語ります。

安易にスマホチェックをするなど、子どもを一個人として尊重しない子育ては、親子の信頼関係のみならず、子どもが成長したときに友達や彼氏彼女のスマホを勝手に見ていいのだ、という誤った認識や行動を育ててしまうことにもなりかねません。

スマホチェックをするときのルールは「こういうことが心配だから、スマホを確認したい」と子どもに親の心配の理由がわかるようにする。また子どものプライバシーもある程度保たれる方法をとることが必要になります。

思春期のスマホ依存 でもスマホの取り上げは「暴力」に

思春期の子どもは「理想」と「現実」の自分に葛藤し、友人関係の悩みや、親からの自立のために心が不安定な時期。なかには一日中スマホにかじりつき、生活に支障をきたしている「スマホ依存」の子どもも。

どうにかしようとスマホを取り上げるのは暴力に値し、親子関係をこじれさせる原因になる。そう語ったのは、学校や児童相談所のカウンセラーとしても活躍し、臨床心理士、公認心理師の諸富祥彦(もろとみ・よしひこ)先生。

スマホ依存を予防するには「スクリーンタイム機能で使用時間や使用制限をかける」などの“使用ルール”を決めることをすすめています。ここで大切なのは、決めたことを子どもが理解し、納得(親子で契約)してからルールを実施することです。

子どもにスマホを買う前はもちろん“使用ルール”を決めますが、使い始めてから「スマホ依存」の兆候が見えたときも“使用ルール”を新たに考え直す必要があります。

子どもの写真を祖父母が勝手にSNS投稿! リスクやマナーの伝え方

スマホを使いこなしSNSにも抵抗がない祖父母。子どもを可愛がってくれるのはありがたいことですが、SNSに「かわいいから」と子どもの写真をアップロードしてしまうのは別問題。我が子の写真をどう扱うかどうかは親が決めることです。

祖父母との関係を悪くせずにリスクやマナーを伝える方法を、メディアリテラシー教育研究の第一人者である千葉大学教育学部教授・藤川大祐先生が解説します。

たとえば「撮影はしてもいいけれど、SNSにアップするのは控えてもらう」や「投稿するなら斜め後ろからの写真」など祖父母の気持ちを尊重しつつ、子どもをリスクから守るためにはどうしても必要だという立場で話し合うことが大切です。

子どもを「誹謗中傷」の加害者・被害者にさせない「授業」とは

ネットに書いた「たった一言」が、人生も命も奪いかねない。みんな分かっていながらも、現代のインターネット社会において「誹謗中傷」がなくなることはありません。

子どもが「誹謗中傷」の被害者にも加害者にもならないために、必要なのは「なぜ」を考えること。「なぜ、ダメなのか」「なぜ、やってしまうのか」。

解説は神田邦彦先生。名門校・開成中学で「ネットの誹謗中傷」を国語の授業として取り上げたことが話題になり、書籍化もされました。(『中学校の授業でネット中傷を考えた 指先ひとつで加害者にならないために』宇多川はるか著)

授業の中で、とある学校の事例を取り上げた神田先生。ファーストフード店から「生徒さんが利用してくださるのはありがたいが、トレーごとゴミ箱に捨てるのはやめてほしい」と連絡があったというのです。

子どもたちにこの話をしたところ、「そんなこと、するはずないよ!」といった声が上がりましたが、「やるかもしれない局面を考えて」と投げかけてみました。すると、ある生徒から「罰ゲーム……」という言葉が出てきます。

子どもの行動の背景には何があるのか、神田先生が紐解きます。

「ゲーム障害」は依存症 診断基準と適切な対処法は?

子どもとゲームの付き合い方。近年の親御さんに多い悩みです。外で遊ばず、長時間ゲームをしている我が子の姿に不安を抱える方も多いのではないでしょうか。

2019年には、WHO(世界保健機関)が病であると認定した「ゲーム障害」。これはゲームのプレイ時間のみで一概に診断できるものではなく、日常生活に支障が出ていないかどうかが診断の焦点となっています。

たとえば「他の生活上の関心ごとや、日常の活動よりも、ゲームを優先している」など、睡眠や食事などをおざなりにし、ゲームに依存している状態のことです。

一般社団法人「Dr.GAMES」代表の近藤慶太さんと理事の阿部智史(さとし)さんが、ゲーム障害の定義と、ゲームに熱中するお子さんとの関わり方で気をつけるべきことを語っています。

子どものオンラインゲーム高額課金 対処法と防止策を解説

スマホ1台でハイクオリティなゲームができる時代。手軽に遊べる利点がある一方で、「子どものゲーム高額課金」が問題になっています。なかには、オンラインゲームで150万円課金されていたというケースも。

高額課金をしてしまったときは頭ごなしに怒らず、「カードの明細を見たら、心当たりのない出費があったんだけど、知ってる?」と、第三者的なヒアリングから入ったほうが良いと教育家・石田勝紀さんは語ります。

そもそも高額課金トラブルの背景にはキャッシュレス化が進み、親と子どもの間で金銭感覚の差が生まれていることが原因の1つと考えられています。正しい金銭感覚を身に着けさせるには、お年玉やお小遣いなど、ある程度お金を使わせることが大切です。

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