【リンゴ病】春から夏に急増傾向! 「妊娠中」に知っておきたいリスクと感染拡大の理由【医師監修】

#1 産婦人科医・柴田綾子先生に聞く「リンゴ病」~症状と胎児への影響~ (2/4) 1ページ目に戻る

産婦人科医:柴田 綾子

リンゴ病は4~5年周期で流行する

──2024年からリンゴ病の感染が急増しているのはなぜでしょうか。

柴田綾子先生(以下、柴田先生):リンゴ病は、「ヒトパルボウイルスB19」への感染が原因で、4~5年おきなど周期的に流行します。2024年ごろからふたたび流行期に入っています。

私は約10年にわたり産婦人科医として診療に携わってきましたが、2025年は「リンゴ病に感染したかもしれない」と不安を感じて受診される妊婦さんが、これまで以上に多かったです。

※IDWR 2025年第26号〈注目すべき感染症〉 伝染性紅斑/国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイ

──4~5年おきと周期的に流行するのには、なにか理由があるのでしょうか。

柴田先生:一度感染すると抗体ができ、その後はふたたびかかりにくくなる「終生免疫」(しゅうせいめんえき)を獲得するとされている病気だからです。

流行の過程で多くの人が感染し、抗体を持つ人が増えると、ウイルスは広がりにくくなり、一度流行は収束します。

しかし、時間の経過とともに抗体を持たない人が増えてくると、感染がまた広がりやすくなるのです。その結果、4~5年ごとに流行を繰り返すサイクルが生まれると考えられています。

──リンゴ病は2019年に大流行しその後は落ち着いていたのに、2024年から急増しています。コロナ対策との関連もあるのでしょうか。

柴田先生:影響はあると考えています。コロナ禍(2020~2023年春)では、マスクの着用や手洗いの徹底、外出機会の減少などにより、リンゴ病にかぎらず多くの感染症の発生が抑えられていました。

その結果、本来であれば幼少期にリンゴ病に感染して抗体を獲得していたはずの子どもたちが、かからないまま成長し、2024年から感染が広がったと考えられます。今年(2026年)の感染がどうなるかはまだ何とも言えませんね。

春から初夏にリンゴ病感染者が増えるワケ

──リンゴ病の流行に季節性はあるのでしょうか。

柴田先生:春(3月)から初夏(6~7月上旬)にかけて、リンゴ病の患者数が増えやすい傾向があります。昨年(2025年)も、この時期に各地で警報や注意喚起が相次ぎました。

流行の背景には、春ならではの生活の変化があります。進級や入園・入学によって新たな人との接触が増えるこの時期は、リンゴ病のような子どもに多い感染症が広がりやすくなるのです。

さらに、幼稚園や保育園、学校で広がった感染が家庭内に持ち込まれ、大人へうつるケースも少なくありません。とくに妊婦さんの場合、上の子どもを通じた感染を心配されることが多いですね。

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