春夏に感染拡大【リンゴ病】 家族内の感染対策と妊娠中の注意点とは【医師監修】

#2 産婦人科医・柴田綾子先生に聞く「リンゴ病」~家庭内の予防と妊婦の注意点~ (2/4) 1ページ目に戻る

産婦人科医:柴田 綾子

もっとも感染力が強いのは頰が赤くなる前

──昨年(2025年)はリンゴ病(伝染性紅斑)の流行派生警報が各地で相次ぎました。リンゴ病は、どのように感染拡大するのでしょうか。

柴田綾子先生(以下、柴田先生):リンゴ病の原因は「ヒトパルボウイルスB19」の感染で、おもに接触や飛沫によって広がります。

咳や発熱、鼻水といった風邪のような症状が出ているときがもっともウイルスの感染力が強く、気をつけるべき時期です。

そこから1週間から10日ほどたって風邪症状が落ち着くと、頬に赤い発疹があらわれます。いわゆる“リンゴのほっぺ”です。この時期に「リンゴ病かも!?」と気づく人が多いですが、このころにはほとんど感染力がありません。なので学校や保育園を休ませる必要もありません。

──感染から発症まで、どのくらいかかるのでしょうか。

柴田先生:リンゴ病の潜伏期間は、およそ10日から、長い場合で20日ほどとされています。ご家族に風邪のような症状が出た場合には、目安として約3週間はうつらないよう気をつけてください。妊婦さんの場合、ご本人はもちろん、おなかの赤ちゃんの様子にも注意して過ごしましょう。

家庭でできるリンゴ病の感染対策

──リンゴ病は予防できるのでしょうか。

柴田先生:2026年現在、リンゴ病の「ヒトパルボウイルスB19」にはワクチンがありません。そのため、日常生活の中での感染対策が重要です。

予防の基本は、石けんを使った手洗いです。「ヒトパルボウイルスB19」は、アルコール消毒では効果がありません。帰宅時や調理時・食事前、トイレ・おむつ交換後など、石けんでこまめにウイルスを洗い流すことを心がけてください。また、接触や飛沫によって感染するため、マスクの着用も有効です。

ご家族に感染が疑われる場合は、食器やタオルを分ける、お風呂はできるだけ別のタイミングで入るなど、接触感染の機会を減らす工夫も、できる範囲で取り入れてください。

お子さんがリンゴ病に感染した場合、頰に発疹が出てしまえば、一緒にお風呂に入っても大丈夫です。ただし、入浴によって発疹部分にかゆみが出ることもあるため、短時間の入浴にとどめるか、入浴後にワセリンなどでしっかり保湿してあげることをおすすめします。

──家族の協力は欠かせませんね。

柴田先生:そうですね。妊娠中は免疫力も下がりやすく、長時間子どもと接していると感染リスクが高くなります。看病や入浴、寝かしつけなど、風邪症状のある子どもとの接触が多くなる場面は、パートナーと交代して対応するとよいと思います。ご家庭の状況に応じて、役割分担を調整することも検討してください。

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