子どもはここで狙われる 危ない屋外の防犯対策を専門家が徹底解説!

防犯ママが教える「夏休みの防犯対策」#2

一般社団法人 日本防犯学校副学長・防犯アナリスト:桜井 礼子

外出が増える夏休みは、子どもだけで遊びにいくときはもちろん、親と一緒に出かけたときであっても、たくさんの危険が潜んでいます。

さらに、人目が多い場所であっても、油断は禁物。不特定多数の人が出入りできる場所だからこそ、犯罪者が紛れ込みやすいのです。今回は、屋外で気をつけたいポイントについて、一般社団法人日本防犯学校副学長、防犯アナリストである桜井礼子先生に取材。

万一子どもが不審者に遭遇したときの対処法もご紹介します。
(全3回の2回目。#1を読む)

危険が多い屋外。特に子どもが狙われやすい場所とは?

夏休みは家族で出かけたり、子ども同士で遊びに行ったりする機会が増えます。屋外こそ危険が多く潜んでいるため、防犯意識を高めておきたいもの。最初に、子どもを狙った犯罪が起きやすい場所を紹介しましょう。

まずは、夏休みの定番お出かけスポットとして挙げられる、テーマパークやプール、大型ショッピングセンター。人の目が多いから安心してしまいがちな場所ではないでしょうか。しかし、意外と人は他人の子どもを見ていないもの。また、人が多いからこそ、犯罪者が紛れ込みやすい場所でもあるのです。

そのほか、夏休みに利用者が増える高速道路のサービスエリアや道の駅なども要注意です。子どもが一人でトイレに行ったところを狙った事件や、車による連れ去り事件も実際に起きています。

また、キャンプ場も気をつけておきたいもの。近年では、一人キャンプをする人が増えましたが、これは不審者が潜みやすくなったということ。さらに防犯カメラを設置しているキャンプ場はまだまだ少なく、リスクが非常に高い場所なのです。

これらのお出かけ先はもちろんのこと、近場でも注意が必要です。例えば、マンションの階段踊り場や駐車場、駐輪場など。身近な場所にも意外に死角となるような場所はあり、子どもの体を触るといったわいせつ事件などが発生しています。

公園も危険性が高い? 犯罪者が好む公園とは

夏休みは、遠出をすることもありますが、子どもがもっともよく遊ぶのはやはり公園ではないでしょうか。実は、公園は犯罪者にとって居心地がいい場所のため、注意が必要です。

公園は公共性が高く、誰が利用してもいい場所。つまり、良い人も悪い人も誰でも利用できますし、何時間いても誰にも怪しまれません。犯罪者は公園のベンチに座り、ターゲットとなる子を選定していることが多いのです。

犯罪が頻繁に起きている公園には共通点があるので、その特徴を紹介しましょう。子どもがいつも利用する公園が該当していないか、チェックしてみてくださいね。

まず1つ目が、道路に背を向けてベンチが設置されている公園

通りから顔が見えないベンチは、ターゲットを物色する絶好の場。 写真:アフロ
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先述した通り、犯罪者はベンチに座って、ターゲットとなる子を探している場合があります。しかし道路からは顔が見えないため、犯罪者の顔が目撃されにくくなります。そのため、こうした公園を犯罪者は好むのです。

そして2つ目が、出入口が複数ある公園

出入り口が多いと、犯罪者が逃げる経路もそれだけ多くなるからです。公園の出入り口はたいてい2つほど。しかし、連れ去りや痴漢など犯罪が多く発生している公園には、出入り口が9つもあったケースもありました。

3つ目が、ベンチがトイレの近くにある公園。子どもがトイレに行くタイミングを見計らい、自分もトイレに行き、子どもを個室に連れ込み、いたずらする事件も起きているからです。

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