子どもの「スナップ写真」 スマホで“今この瞬間”を切り取る撮影術
いつもの写真が見違える! 子どもの一瞬を逃さない写真の撮り方#3
2021.10.16
「今の年齢のやんちゃな日常を残しておきたい」
「普段のかわいい表情やしぐさを写真におさめたい」
かしこまって撮影会というより、「子どもの今の日常を成長記録としてキレイに残したい」と考えるママやパパは多いことでしょう。しかし、何となく撮ってはみるものの、ピントがずれていたり、余計なものがいろいろ写り込んでいたり、イマイチな写真しか撮れない……。
せっかくなら、振り返って何度も眺めたくなるような、キレイな一枚を撮りたいですよね。
そこで今回はスマホでできる、キレイな「スナップ写真の撮り方」を、ママフォトグラファーアカデミー代表理事の吉野陽子さんに伺いました。(全4回の3回目)
日常を切り取る「スナップ写真」とは?
「スナップ」写真とは、日常の中から印象的な光景を「瞬間的に」切り取った写真のことです。どこに行った、何をしたという、「場所・状況・行為」がわかる写真ともいえます。
ポートレート写真が、ちょっとした準備が必要な「人物を中心に撮る肖像写真」とすると、スナップ写真は準備などがなく「今、この瞬間を撮った写真」になります。
「子どもの普段の様子を切り取るなら、デジカメよりも、あえてスマホを使った方がいいでしょう。スマホは日常的に目にするものなので、子どもにも撮られている意識をさせずに写すことができます」(吉野さん)
スマホなら子どもも見慣れているため、スナップ写真には最適なカメラだと言えますね。
魅力的なスナップ写真を撮るコツとは
それでは、ママやパパが知っておきたい「スマホで魅力的なスナップ写真を撮るコツ」を紹介しましょう。これらを意識するだけで、驚くほどキレイな写真になりますよ。
雑多な背景に注意
スナップ写真の撮影では、スマホカメラは通常の撮影モードにします。ここで注意したいのは、通常モードはポートレートモードの撮影と異なり、背景がハッキリと写り込んでしまうことです。
「ポートレートは人物の背景をわざとぼかして写すのですが、スナップでは通常の撮影モードで撮るため、何もかも全部が写り込んでしまいます。周りがごちゃごちゃしすぎると、雑多な印象になり、魅力的な写真ではなくなってしまう場合もあります」(吉野さん)
お気に入りの一枚を撮るなら、写り込む物にも気を配ることが大事ですね。
構図を考えてみる
撮影をするときに構図を考えてみるのもおすすめです。構図に関しては、大きく二つに分けられます。
一つ目は水平に撮ること。これは安定感があって、きちんした感じに撮れます。兄弟など複数人を一緒に撮るなら、前後より横並び。並んだら、カメラから距離が一番近い子の顔を画面上でタップし、ピントを合わせて撮影します。
「水平での撮影は基本になります。スマホカメラに『グリッド線』を表示させると分かりやすいです。線に子どもを合わせて撮るだけで安定感のある写真が撮れますよ」(吉野さん)
スマホカメラのグリッド線とは、「カメラの画面上に引かれた補助線」のこと。「垂直」「水平」に2本ずつ線が表示されます。そして、画面を格子状に分割しています。これを生かして撮影していくと、容易にいい写真が撮れるようになります。
構図の二つ目はカメラを斜めに傾けて撮ること。あえてグリッド線を水平にあわせるのではなく、画面の左右を大きく斜めに傾けて撮影することでダイナミックな写真になります。斜め撮りは中途半場な角度では収まりが悪い写真になるので、水平より45度くらい傾けて撮影するのがいいでしょう。