「パパが45歳」以降に出産した家庭の住宅費・教育費・老後資金の【家計対策】 「家計再生コンサルタント」が伝授

高齢パパの家計対策 #1

横山 光昭

教育資金のための投資は早めに

──支出を見直すことは大切ですが、それだけで十分な教育資金を準備できるのでしょうか?

横山さん:今は貯金だけでは難しい時代です。定年退職後の生きる期間が長くなっていて、インフレも進んでいる中で、年金だけでは生活費や老後に必要なお金が足りないというほうがほとんどだと思います。

かといって、60歳・65歳までの間に貯金だけで何千万も現金を貯められる人は少ないのが現実です。

そのためNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった投資の活用が有効です。

例えば、教育費の目標が300万円の場合、貯金と投資を組み合わせて、150万円は貯金、残りを投資で運用するというプランです。

ただし、iDeCoは原則60歳になるまで資産を引き出すことができません。一方、NISAは子どもが小さいうちから始められるので、教育資金の準備に適していますね。

写真:Trickster/イメージマート
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──教育資金のための投資は、いつごろから始めるのがいいのでしょうか?

横山さん:遅くても子どもが7歳ぐらいまでに始めることをお勧めします。というのも、教育費が本格的に必要になるのは大学入学時、つまり子どもが17歳~18歳のときです。

投資は10年以上の長期で運用してこそ効果が期待できるもの。子どもが0歳、1歳のころから始めれば、15年以上の運用期間を確保し、資産を育てていくことができます。

ただし、投資を始めるうえでは、病気などの理由で働けないときのための「生活防衛資金」として、最低でも生活費の7.5ヵ月分は現金で持っておくことをお勧めします。

例えば、毎月の生活費が40万円の世帯であれば、生活防衛資金として300万円程度を現金で確保しておく。その上で、残りの資金をどのくらい投資に回すかは、ご自身の投資に対する知識や不安の度合いによって変わってきます。貯金が1000万円あっても、まずは50万円程度から慎重に始める方もいれば、残り全額を運用に回す方もいます。

──投資を始めるにあたって、専門家のアドバイスを受けたほうがよいでしょうか?

横山さん:NISAなどを始めること自体はそれほど難しくないため、まずは自分で調べて始めてみる、というのも十分アリだと思います。有名な投資商品もいくつかありますし、それらを利用すれば、基本的に大きな間違いは起こりにくい。

ただし、貯金と投資バランスや、どのくらいのペースで投資をしていくのかなどを知りたい場合は、ライフプランをFPに相談するのもいいと思いますね。

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