カオス化するおもちゃ箱! 収納のプロが教える「子どもが片付けやすい仕組み」

本多さおりさんに教わる「子どものモノ」収納レッスン#1 おもちゃ編

整理収納コンサルタント:本多 さおり

遊ばないおもちゃは「いさぎよくゆずる」

――決まったジャンルのおもちゃばかりだと、子どもが飽きてしまわないか心配な部分も。本多さんの印象はいかがですか?

本多さん「同じジャンルでも新しいおもちゃが増えると、その分、遊びのバリエーションも増えますよね。意外と長い期間、満足して遊んでいるなと感じます。そうすると、親のほうも『これなら遊ぶから』と納得して買えますね。

新しいジャンルのおもちゃを増やしているのは、案外、親なのかなと思うんです。おままごとセットとか積み木とか、私がよかれと思って買ったおもちゃが結構あるのですが、まったく遊ばなくて……。

遊ばないおもちゃは、いさぎよく遊んでくれるお友達に譲ります。いつか遊ぶかなと思って残していても、結局は遊ばないですからね」

――たしかに。わが家にも、私が買ったものの、見向きもされていないおもちゃたちが……。でも、手放すのは勇気がいりますね。

本多さん「私はモノ、特に子どものおもちゃが使われずに保管されている状態が、苦手なんです。ディズニー映画『トイ・ストーリー』の影響もあるのですが(笑)、何だかおもちゃが不憫だなぁって。お友達の家に譲ったり、保育園に寄付したりしたほうが、おもちゃも幸せだと思えばいさぎよくいけます!

それに<私のエゴで買ってしまったおもちゃは、こういう運命をたどるんだ>という反省の念をインプットすれば、今後の買い物にも役立てられます。痛い手放しも、糧(かて)になるなら意味があるのかなって思いますね」

――ほかに、おもちゃの収納ルールはありますか?

本多さん「よく遊ぶ<1軍のおもちゃ>と、たまに遊ぶ<2軍のおもちゃ>で線引きして、普段部屋に出しておくのは<1軍のおもちゃ>だけにしています。

遊ぶおもちゃって、成長するにつれて決まってきませんか? 出しておくおもちゃを絞ったほうが、子どもたちもさっと選べて、手に取りやすいようです」

――なるほど。量が限られれば、散らかるリスクが減りますね。

本多さん「<2軍>とはいっても、しまってあるのはクローゼットの中で、遊びたいときは子どもたちの意思で取り出せます。もっと小さい頃は<1軍>と<2軍>で、よく入れ替えがあったのですが、最近はだいぶ固定されましたね」

旬のおもちゃは、有孔ボードに引っ掛けて収納。「来客の多いダイニングからの死角になっているので、多少ゴチャゴチャしてもよしとしています」(本多さん) 写真:深澤慎平
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