「自由進度学習」は小学校低学年から実践できる! テーマ設定・計画・発表まで子どもたちが決める驚きの内容
【小学校教育2.0】名古屋市立矢田小学校の挑戦#1「2年生のプロジェクト型学習」
2023.03.04
「自分で決める・選ぶ」が子どもの意欲を高める最大のキーワード
2年生の生活科には、「まち(学区)たんけん」という内容(単元)があり、2022年度はこのなかでプロジェクト型学習に取り組みました。
「学区内にあるお店や施設を訪ねて、その内容をまとめて発表する」という大筋の学習内容は決まっていますが、どのお店に行くのか、そこでどんなことを聞くのかなど、具体的な内容は子どもたちが選んだり、話し合ったりして進めます。
まずは、子どもたちが自分で行きたいお店や施設を選び、それぞれグループを作ります。その後はグループに分かれて学習を進めていきます。
2年生のクラスを担任する中川大輔先生は、授業の進め方について次のように話します。
「実際にお店や施設を訪問するまでの準備には、経路を調べたり質問事項を考えたり、記録のためにメモや写真を残したりと、いろいろな要素があります。
こうした学習の全体像については、子どもたちがイメージを持てるように最初の授業で説明しますが、グループでの学習に移ったあと、具体的にどんなふうに進めるのかは子どもたちに任せています。
『今日はお店に行くまでの道を調べましょう』『次はお店の人への質問を考えましょう』と教員が時間を区切って指示する、といったことは行いません。
考える順番、時間配分なども含めて、自分たちで話し合いながら進めていきます」(中川先生)
「子どもたちが主体となって進める学習」は、話し合いに慣れている高学年で行うのは想像できますが、2年生はまだまだ幼さが残る年齢です。うまく進むのでしょうか?
「子どもたちは、自分で決めたことについては驚くほどモチベーション高く学習に取り組みますので、どのグループも積極的に話し合いを行っていました。大きな問題はありませんでしたね。
もちろん、教員のサポートは必要で、うまく進まなくなっている場合は、『あっちのグループがどうやっているか見てきたら?』などと声をかけてフォローします。
でも、少しアドバイスすれば子どもたちはすぐにペースをつかみ、また自分たちで学習を進めていきますね。
自分で選べる内容や決められる範囲が広いことで、子どもたちはより意欲的になったと感じます。楽しそうに話し合いながら、どんどん先へと進めていった印象です」(中川先生)