駄菓子屋店主の“話を聞くだけ”の無責任スタイルが子どもに人気なワケ

シリーズ「令和版駄菓子屋」#2‐2 ユニーク店主~「みんなで駄菓子屋(仮)」(愛知県名古屋市)~

ライター:遠藤 るりこ

無責任な大人でいることの難しさ

「私も子育てをしてきたから、いろいろ言いたくなる親の気持ちはよ~くわかるんですけどね」と笑って前置きをしながら、「親でも先生でもなくて、その中間地点に、無責任にいる大人でいたいな」と、あいざわさんはどこまでも軽やかです。

口は出さないけれど、心はけっして離さない。子どもとその距離感を保つのは難しく、なかなかすべての人にできることではありません。

あいざわさんは、これからの「みんなで駄菓子屋(仮)」についてはこう話します。

「ずっと自分がプレイヤーでいる必要もないと思っているんです。ここで遊んでいた誰かが大きくなってここへ戻ってきて、この店を引き継いでくれたらなぁ。今は、たまたま私がやっているだけというか。未来へ向けて、今その種まきをしているところですね」(あいざわさん)

肩肘張らない店主が作り出すゆるい雰囲気は、横丁にほがらかに流れています。

何も言わなくてもみな、掃除をしたり積極的に店の手伝いをするように。みんな“で”駄菓子屋という店名がしっくりくる。  写真提供:「みんなで駄菓子屋(仮)」

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子ども自ら興味を持って、手を動かした“経験”やその“過程”を重んじる、「みんなで駄菓子屋(仮)」。なかなか決まることのない店名に、深い味わいを感じます。

店のリノベーションも楽しい雰囲気も子どもと一緒に作ってきたものだから、大人目線のアドバイスやおせっかいはせず、子どもとは常に平等。その大人ができそうでできない距離感が子どもたちにとって、とても居心地の空気となっているのかもしれません。

次回は、お金がなくても楽しめる寄付型駄菓子屋にインタビューします。

【取材協力】
●みんなで駄菓子屋(仮)
愛知県名古屋市中村区名楽町2‐18
営業時間:14時~18時まで
定休日:不定休のためインスタで確認を

【関連URL】
みんなで駄菓子屋 (仮)Instagram
@omon_dagashiya

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えんどう るりこ

遠藤 るりこ

ライター

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe