不登校のキミへ…小島よしお「学校に合わせなくていい 必ずキミのものさしが見つかる」
シリーズ「不登校のキミとその親へ」#5‐1 お笑い芸人・小島よしおさん~子どもたちへ~
2024.07.04
お笑い芸人・タレント:小島 よしお
“最強キッズ芸人”という異名もとるほど、子どもに大人気のお笑い芸人・小島よしおさん。
年間150本以上も行うライブでは「よしおー!」と子どもたちからシャウトされ大盛り上がり。そのほかにも悩み相談やYouTubeなど、日々さまざまなカタチで大勢の子どもと触れ合っています。
そんな中には「学校に行けない」と打ち明ける子どもも。日本の小中学校で不登校児は約30万人で過去最多(令和4年度文部科学省調べ)を数えています。
学校に悩む子どもたちへ、よしおがエールを送ります。
※1回目/全4回(#2、#3、#4を読む) 公開日までリンク無効
小島よしおPROFILE
お笑い芸人・タレント。1980年、沖縄県生まれ千葉県育ち。2007年に「そんなの関係ねぇ!」「おっぱっぴー」のギャグでブレイク。現在は年間150本以上の子ども向けライブをこなす“最強キッズ芸人”として活躍。2024年2月に長男が誕生し1児のパパに。
挫折して感じた「自分のものさし」を持つ大切さ
よしおは今、あちこちでライブをやらせてもらっているんだ。ありがたいことに、どこに行ってもたくさんの子どもたちが集まって、よしおの動きに合わせて「おっぱっぴー」って盛り上がってくれる。
でも、楽しそうに笑っているピーヤ(お友だち)の中にも、学校に行けなくて悩んでる子がいるっていうことを、握手やサインを通して知る機会があったんだ。
苦しいよね。でも、自分を責めないでほしいな。学校に行けない、行きたくないのは、キミが悪いわけじゃないと思うよ。たまたま学校のものさしに、合わなかっただけだと思うんだ。
よしおは「一発屋」と言われてた。2007年5月ごろに、海パンで腕を振って「そんなの関係ねぇ!」と絶叫するギャグが受けて、あれよあれよという間にテレビにたくさん呼んでもらえるようになったんだ。小学生ぐらいのピーヤたちが生まれるより、ずっと前の話だよ(笑)。
でも、人気は長くは続かなかった。バラエティ番組に呼ばれて「ひな壇」に座っても、即座におもしろいひと言が返せない。仕事がどんどん減って、世間の人の目にふれなくなって、誰が言い出したのかはわからないけど、一時期は「死亡説」まで出ちゃったんだ(笑)。
またテレビに呼んでもらえるように、いろんな資格を取ったり、先輩に相談したり、占いにも行ったよ。言われることはいつも「あなた、仕事のことで今悩んでるでしょ?」(笑)。
そんなこんなでもがいてるうちに、ふと気づいたんだ。「他人のものさしに合わせなくてもいいか」って。
テレビで売れ続けるためには、テレビのものさしに合わせて、それぞれの番組で必要とされる芸人にならなきゃいけない。もちろん、どんな話を振られても、流れを壊さずにおもしろいリアクションができる人は、心から尊敬している。
でも、よしおにはできそうにない。「一発屋」っていう言い方も、テレビにたくさん出ているかどうかっていうものさしでの話だしね。
他人のものさしに合わせようとしても疲れるだけだ。だったら自分にできることをやろうと思ったよ。子ども向けを意識したライブをやってみたら、感じたことがない手ごたえがあった。
子どもが笑顔になってくれてうれしかったし、仕事の仲間も「いけるよ!」と言ってくれた。野菜の歌を歌い出したのもこのころからで、今の活動につながっているよ。
学校が苦手だと感じるのは、学校のものさしに自分が合ってないからだと思う。子どものころって、学校や親が用意したものさしに合わせなきゃって考えるよね。合わせられない自分を責めたりもする。
でも、きっとそれだけじゃないんじゃないかな。世の中にはいろんなものさしがある。自分が好きなことや得意なことをとことん突き詰めて、自分だけのものさしを作れる時間を大切にしてほしいな。
最初は不安かもしれない。でも、他人のものさしに合わせられなかった先輩であるよしおとしては、「それでいいんだよ。ダイジョブダイジョブ!」って言いたい。必ず、自分のものさしが見つかるはずだよ!
世間の常識と違っていたって「そんなの関係ねぇ!」。キミの未来には無限の可能性が広がっている。自分を信じて、前へ前へ進んで行こう!
取材・文/石原壮一郎
※小島よしおさんインタビューは全4回(公開日までリンク無効)
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石原 壮一郎
コラムニスト。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、数多くの著作や各種メディアでの発信を通して、大人としてのコミュニケーションのあり方や、その重要性と素晴らしさと実践的な知恵を日本に根付かせている。女児(2019年生まれ)の現役ジイジ。 おもな著書に『大人力検定』『コミュマスター養成ドリル』『大人の超ネットマナー講座』『昭和だョ!全員集合』『大人の言葉の選び方』など。故郷の名物を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。ホンネをやわらげる言い換えフレーズ652本を集めた『【超実用】好感度UPの言い方・伝え方』も大好評。 林家木久扇がバカの素晴らしさを伝える『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)では構成を担当。2023年1月には、さまざまな角度のモヤモヤがスッとラクになる108もの提言を記した著書『無理をしない快感 「ラクにしてOK」のキーワード108』(KADOKAWA)が発売。 2023年5月発売の最新刊『失礼な一言』(新潮新書)では、日常会話からメール、LINE、SNSまで、さまざまな局面で知っておきたい言葉のレッドラインを石原壮一郎氏がレクチャー。 写真:いしはらなつか
コラムニスト。1963年三重県生まれ。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、数多くの著作や各種メディアでの発信を通して、大人としてのコミュニケーションのあり方や、その重要性と素晴らしさと実践的な知恵を日本に根付かせている。女児(2019年生まれ)の現役ジイジ。 おもな著書に『大人力検定』『コミュマスター養成ドリル』『大人の超ネットマナー講座』『昭和だョ!全員集合』『大人の言葉の選び方』など。故郷の名物を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。ホンネをやわらげる言い換えフレーズ652本を集めた『【超実用】好感度UPの言い方・伝え方』も大好評。 林家木久扇がバカの素晴らしさを伝える『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)では構成を担当。2023年1月には、さまざまな角度のモヤモヤがスッとラクになる108もの提言を記した著書『無理をしない快感 「ラクにしてOK」のキーワード108』(KADOKAWA)が発売。 2023年5月発売の最新刊『失礼な一言』(新潮新書)では、日常会話からメール、LINE、SNSまで、さまざまな局面で知っておきたい言葉のレッドラインを石原壮一郎氏がレクチャー。 写真:いしはらなつか
小島 よしお
1980年、沖縄県生まれ千葉県育ち。早稲田大学在学中にコントグループ「WAGE」でデビュー。2006年よりピン芸人として活動。2007年に「そんなの関係ねぇ!」「おっぱっぴー」のギャグで大ブレイク。同年の「流行語大賞」にノミネート。 現在は年間150本以上の子ども向けライブをこなす“最強キッズ芸人”として活躍。2020年にYouTubeチャンネル『おっぱっぴー小学校』を開設、チャンネル登録者数15.8万人(2024年6月時)。2024年、小児がんと戦う子どもを応援するゴールドリボン・ネットワークのアンバサダーに就任。 2024年2月に長男が誕生し1児のパパに。 近著に『最強無敵の雑草たち(10歳から学ぶ 植物の生きる知恵)』(家の光協会)、『小島よしおのボクといっしょに考えよう』(朝日新聞出版)など。
1980年、沖縄県生まれ千葉県育ち。早稲田大学在学中にコントグループ「WAGE」でデビュー。2006年よりピン芸人として活動。2007年に「そんなの関係ねぇ!」「おっぱっぴー」のギャグで大ブレイク。同年の「流行語大賞」にノミネート。 現在は年間150本以上の子ども向けライブをこなす“最強キッズ芸人”として活躍。2020年にYouTubeチャンネル『おっぱっぴー小学校』を開設、チャンネル登録者数15.8万人(2024年6月時)。2024年、小児がんと戦う子どもを応援するゴールドリボン・ネットワークのアンバサダーに就任。 2024年2月に長男が誕生し1児のパパに。 近著に『最強無敵の雑草たち(10歳から学ぶ 植物の生きる知恵)』(家の光協会)、『小島よしおのボクといっしょに考えよう』(朝日新聞出版)など。