絵本の編集長が大予測! 2025年「だじゃれ絵本」が日本を救う!!

絵本・児童書売り場に並ぶのは「おやじギャグ」か? 知育につながる「ことば遊び」か?

答えは赤丸の2箇所です。わかりましたか?
答え……左端の交通標識 41831=よい野菜/右端の電柱に書かれた住所 1‐29=いい肉
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では、もう一問。

















答えはこちらの2箇所です。
答え……車の右の車体に書かれた電話番号 117‐010=いいな、冷凍/
車のナンバープレート 2264 ぎょ49‐89=包むよ ぎょ(うざ)よく焼く
なんと、隠しコマンドのように、ぎょうざ関連のだじゃれが詰め込まれていたのでした!

絵本とだじゃれ、相性がいいのはなぜ?

このように、子どもに読み聞かせることの多い絵本において、だじゃれはかなりの武器になるようです。

ではなぜ、だじゃれは子どもたちの心をつかんでしまうのでしょうか。

「絵本とだじゃれって、とても相性がいいものなんですよ」

と言うのは、「だじゃれは世界を救う!」を合い言葉に、日々、だじゃれの普及活動を行っている日本だじゃれ活用協会・代表理事の鈴木ひでちかさんです。

鈴木さんは、だじゃれ絵本が愛される理由を、3つあげました。

【その1 音・リズムの楽しさ】

「子どもが最初に言葉を覚える方法は、意味より音やリズムからです。幼い子は、イヌのことを『ワンワン』、車のことを『ブーブー』と表現したりしますよね。

じつは人間は、胎内にいるときから母国語の響きやリズムを学んでいる、という研究もあるようです。

だじゃれというのは、音が同じ、または似ている語を重ねて遊ぶものですから、子どもにとって耳から入ってくるだじゃれは心地がよいということが考えられます」

親子のつながりを強化できる利点も!

だじゃれが絵本とマッチする理由、まだまだあります。

鈴木さんが続けます。

【その2 意外性】

「昔、鳥取県知事が、『(鳥取には)スタバはないが砂場(すなば)はある』と発言して話題になり、実際に鳥取県内に『すなば珈琲』というチェーン店までできてしまいました。

スターバックスと砂場(鳥取砂丘のことです)……ぜんぜんつながりがありません。本来は結びつくことのない、まったくつながりのない言葉同士を結びつけてしまうのが、だじゃれです。

おもしろいだじゃれは、絶対に実在はしないんだけれど、『もし、こんなのあったらおもしろいよね?』という想像力をかき立ててくれます。

絵本は、その意外性を、ビジュアルで視覚的におもしろく表現して、読者に迫るものなのです」

【その3 親、保護者の巻き込み】

「未就学の子どもたちに対しては、絵本を読み聞かせることで内容を伝えることが圧倒的に多いかと思います。

その際、だじゃれの部分について、大人はなぜそれがわらえるのか、わかりやすく説明すると思います。それによって、親や保護者と子どもとのふれあいが生まれるでしょう。

まとめますと、『音とリズム』が子どもたちの耳に心地よく響き、『ビジュアル』でおもしろい状況をわかりやすく視覚に訴え、さらにどこがおもしろいのかを伝えるべく保護者が子どもとコミュニケーションをとることが多いので、大人と子どもと心のつながりが深くなる。

だじゃれ絵本は、いいことづくめの絵本と言えるのです!」

新年を明るく始めるために、絵本をどうぞ!

考えてみますと、だじゃれのような言葉遊びは、古来から日本人に親しまれてきました。

花のいろは うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに

小野小町の有名な和歌です。

「ふる」の部分に雨が「降る」と、時間が経過する「経る」と二つの意味があって、「ながめ」については「眺め」と「長雨」が掛かっている……と古文の授業で教わったこと、おぼえていますか? 「掛詞(かけことば)」というヤツですね。

そういえば、警視庁の「ピーポくん」というマスコットキャラクターの名前は、「ピーポー ピーポー」というサイレンの音が由来ではなく、「ピープル(people)=人々」と「ポリス(police)=警察」をくっつけて略したそうです。

だじゃれたちは、巷にあふれています。

そう、だじゃれは、「飲み会でおじさんに聞かされる迷惑なギャグ」ではないのです。

老若男女が楽しめる、知的なことばあそびなのです。

そして、子どもたちをなんだか楽しくさせてしまう効用すらあるのです。

ということで、勝手に断言いたします。

2025年、だじゃれ絵本がきます!

ますます愛されます!!

と言いますか、愛されることを願ってやみません!!!


ここ数年、暗いニュース、暗い世相になんだか慣れてしまっている自覚がございます。せめて年明けくらい、絵本の力で楽しく新年をお迎えしたいじゃありませんか。

新たなる年もまた、渾身の力をこめて絵本をつくってまいります。

みなさまのお心に届きますように!
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