【かがくいひろしの世界】子どもへの思いを形にした伝説の絵本作家
卓越した才能とユーモア、子どもへの限りない愛情を持った絵本作家の世界と誕生秘話
2023.09.13
絵本作家・かがくいひろしさんの誕生
かがくいひろし
東京都生まれ。1980年、東京学芸大学教育学部美術学科卒業。千葉県下の特別支援学校で28年にわたり教鞭をとる傍ら、人形劇の公演活動や立体作品の制作・発表をおこなう。50歳のとき『おもちのきもち』(講談社)で「第27回講談社絵本新人賞」を受賞し、絵本作家デビュー。以降、2009年に病で急逝するまでの4年間に「だるまさん」シリーズ(ブロンズ新社)、『ふしぎなでまえ』『みみかきめいじん』(講談社)、『おむすびさんちのたうえのひ』(PHP研究所)、「まくらのせんにん」シリーズ(佼成出版社)など16冊の絵本をのこす。
受賞の電話では女子高生のように喜んだ
「うれしかったです。連絡の電話をくれた編集者には『女子高生のように喜んでいた』と言われたほど。最初の応募が佳作で、次も佳作。そのとき、前作のほうが面白かったと言われたこともあり、『講談社の賞には合わないのかな?』とあきらめかけていたんです。でも受賞パーティーでお会いした書店員さんたちが『やめちゃだめ!』と強く後押ししてくださって。佳作の2作を見て応援していてくれたのです。それで、よし、最後だと思って応募したこともあって、うれしかったですね」(絵本通信「絵本新人賞インタビュー」より)
受賞作『おもちのきもち』はこうして描かれた
絵本の着想を記録するメモにあった何編かの作品のメモや「おもち」のイラストから、「おもちが逃げだしたらおもしろいんじゃないか」と考えたそうです。そこから絵や言葉が浮かんできて、「おもち」が形を変えるところや、柔らかくなったり固くなったりすることをヒントに、話を展開していったと語ります。
絵本作家になるまで
「人形劇では、動きと音との兼ね合いが好きだったんです、オノマトペとか。子どもも大好きでしょ。その動きと言葉を考えているうちに、自分のなかで音と絵がつながったのかな」(絵本通信「絵本新人賞インタビュー」より)
絵本作家として大切にしたいこと
「かがくいひろしの世界展」開催中
絵本作家としては、『おもちのきもち』や「だるまさん」シリーズが有名なかがくいひろしさんですが、彼が特別支援教育に携わっていたことはあまり知られていません。彼の絵本の原点には、障がい児教育の現場での経験がありました。
今回の展覧会では、絵本の原画を中心に、アイデアノートや未完のラフなどとともに絵本作家としての軌跡をたどりながら、教員時代に手がけた教材や人形劇の記録などから、絵本創作のルーツに迫ります。
開催スケジュール
開催中:~2023年9月16日(土)
会場:イルフ童画館
https://www.ilf.jp/exhibition/kagakuihiroshi/
岩手県【会期終了】
開催期間:2023年9月30日(土)~12月24日(日)
会場:花巻市博物館
https://www.city.hanamaki.iwate.jp/bunkasports/bunka/1008981/1009017/1018710.html
高知県【会期終了】
開催期間 : 2024年4月20日(土)~6月16日(日)
会場 : 香美市立やなせたかし記念館
https://anpanman-museum.net/exhibition/pfeoujkaaeqz4cm1.html
兵庫県【会期終了】
開催期間 : 2024年6月29日(土)~9月1日(日)
会場 : 神戸ファッション美術館
https://www.fashionmuseum.jp
東京都【開催中】
開催期間 : 2024年9月14日(土)~11月4日(月・祝)
会場 : 八王子市夢美術館
https://www.yumebi.com/
宮崎県
開催期間 : 2024年11月16日(土)~2025年1月8日(水)
会場 : みやざきアートセンター
https://miyazaki-ac.com/
福島県
開催期間 : 2025年1月25日(土)~3月9日(日)
会場 : 福島県立美術館
https://art-museum.fcs.ed.jp/
かがくい ひろしの絵本
幼児図書編集部
絵本をつくっている編集部です。コクリコでは、新刊の紹介や作家さんのインタビュー、イベントのご案内など、たのしい情報をおとどけします! Instagram : @ehon.kodansha Twitter : @kodansha_ehon
絵本をつくっている編集部です。コクリコでは、新刊の紹介や作家さんのインタビュー、イベントのご案内など、たのしい情報をおとどけします! Instagram : @ehon.kodansha Twitter : @kodansha_ehon
かがくい ひろし
東京都生まれ。1980年、東京学芸大学教育学部美術学科卒業。千葉県下の特別支援学校で28年にわたり教鞭をとる傍ら、人形劇の公演活動や立体作品の制作・発表をおこなう。50歳のとき『おもちのきもち』(講談社)で「第27回講談社絵本新人賞」を受賞し、絵本作家デビュー。以降、2009年に病で急逝するまでの4年間に「だるまさん」シリーズ(ブロンズ新社)、『ふしぎなでまえ』『みみかきめいじん』(講談社)、『おむすびさんちのたうえのひ』(PHP 研究所)、「まくらのせんにん」シリーズ(佼成出版社)など16冊の絵本をのこす。写真撮影:大志摩洋一
東京都生まれ。1980年、東京学芸大学教育学部美術学科卒業。千葉県下の特別支援学校で28年にわたり教鞭をとる傍ら、人形劇の公演活動や立体作品の制作・発表をおこなう。50歳のとき『おもちのきもち』(講談社)で「第27回講談社絵本新人賞」を受賞し、絵本作家デビュー。以降、2009年に病で急逝するまでの4年間に「だるまさん」シリーズ(ブロンズ新社)、『ふしぎなでまえ』『みみかきめいじん』(講談社)、『おむすびさんちのたうえのひ』(PHP 研究所)、「まくらのせんにん」シリーズ(佼成出版社)など16冊の絵本をのこす。写真撮影:大志摩洋一