喉が腫れて痛い!「溶連菌感染症」

溶連菌感染症は1年中見られる病気ですが、春から初夏にかけて発症のひとつのピークを迎えます。治療法が確立された病気なので、早めの受診をおすすめします。

喉の痛みや腫れを伴うことが多い「溶連菌感染症」  写真:アフロ

1)溶連菌感染症ってどんな病気なの?

「A群溶血性連鎖球菌という細菌がのど(咽頭や扁桃)で炎症を起こす感染症です。

夏に見られる皮膚感染症の『とびひ(伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん)』などの原因にもなる菌ですが、園や学校で「溶連菌感染症」といった場合は溶連菌による咽頭炎を指すのが一般的です。

3歳~10歳がかかりやすく、菌を含んだくしゃみなどを吸い込むことで感染する飛沫感染と、手に菌がつき、その手で口や鼻を触って粘膜から感染する接触感染が主な感染経路です。

2〜5日の潜伏期間を経て、高熱や喉の痛みと腫れ、いちごのような赤い舌になる『苺舌』が症状の特徴です。また、吐き気や腹痛、発疹を伴うこともよくあります」(渋谷先生)

2)おうちでの応急処置と病院での対処法

「高熱や喉の痛みなどで子どもがよく眠れない場合は、市販の解熱剤を飲ませて対応しましょう。また、吐き気や腹痛があるときは、水分を少しずつ与えることが大切です。

病院では、診断は診察所見や迅速診断キットで行われます。治療としては抗菌薬が処方されますが、出された薬は最後まで飲み切ることが重要です。途中で服用をやめると、細菌を一掃することができずに病気がぶり返すことがあります。

治療を開始すると1日程度で熱は下がり、のどの痛みも数日でおさまります。回復期に発疹があったところの皮膚が剥けることがあります」(渋谷先生)

3)集団生活への復帰タイミングとは?

「登園や登校の目安は『適切な抗菌薬による治療開始後24〜48時間以降』で、症状が改善している場合になりますが、かかりつけ医の指示に従うのが基本です。

熱が治まっても多少、喉の腫れや発疹が残っている場合がありますが、全身状態がよければ薬を飲み続けながら復帰する方向となります」(渋谷先生)

4)合併症について

「溶連菌感染症には、『急性腎炎』という合併症があります。溶連菌への免疫反応で起こる腎臓の病気で、感染症になってから2〜3週間後にみられます。

腎臓の働きが悪くなり、血尿やおしっこが出にくい、顔や目の周りがむくむといった症状が病気の特徴です。

急性腎炎の発症頻度は高くはありませんが、これらの症状があれば再度、病院を受診して、尿の検査などを受けましょう」(渋谷先生)

溶連菌感染症に限らず、病院から出された薬は飲み切ることが大切と渋谷先生は話します。どんな病気でもかかりつけの医師の説明をしっかり理解し、子どもの回復をサポートすることが重要です。

第2回は、感染力が強いとされる「水ぼうそう」について紹介します。

取材・文/千葉ちえ

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しぶや のりこ

渋谷 紀子

小児科医

愛育クリニック院長兼小児科・母子保健科部長。日本小児科学会専門医・認定指導医。日本アレルギー学会専門医。東大病院小児科、愛育病院小児科...

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