番組出演やアーティスト活動で考えた子育てのエンタメ化

子どもに見てほしい番組をTOBIさんに聞くと「やっぱりNHK Eテレはいい番組が多い」と答えてくれました。

「『デザインあ』や『シャキーン!』なんて、センスがとがっていて大人が見ても楽しいですよね。視聴者をひきつける仕組みもよく考えられているし、音楽も素晴らしいクオリティ。きっとスタッフが楽しんで作っているのかなと。

『お伝と伝じろう』の収録のときも、レ・ロマネスクでミュージックビデオを撮るときも、みんな笑いながら作っているんです。そういうのって画面越しに伝わるのではないでしょうか? 

あとは、子どもにこびない番組はいいなと。『子どもはこれが好きだよね』と大人が決めつけてしまう時点で、子どもの可能性を潰している気がして。

レ・ロマネスクのコンサートは、年齢を問わず楽しんでほしいし、実際に子連れのお客さんがたくさんいます。

派手な格好と歌とダンス。僕たちのステージには、子どもでも楽しめる要素があって、楽しみ方がそれぞれ違うとしても、誰もが楽しめるエンタメを提供したい。『デザインあ』みたいに、親も一緒に楽しめるのが最高のエンタメだと思っているので」

子どもと大人が一緒に楽しめるのがエンタメ。TOBIさんは、レ・ロマネスクでの活動や『お伝と伝じろう』に出演する中で、それが子育てにも通じることだと考えるようになったそうです。

真面目な表情をすると実はシブくてカッコイイTOBIさん。
写真:水野昭子

「子育てでも、親の義務だと考えるのではなく、楽しみを探しながらやる。いろんな視点を持って、親が『この子のここおもしろいな』といった高揚感は、子どもに伝わると思うんです。

それって『口角を上げて笑顔を見せると子どもも笑う』といった魔法みたいなマニュアルを、インターネットで見つけるより大切なことじゃないかなと。子育てをエンタメと捉えるというか。

子育てを含め、人生って楽しむためにあると思うんです。それなのに、義務感から子どものために自分の楽しみを削るとか、仕事で何かをこなすために苦しむというのは、社会が進むにつれて減っていくような気がします。

いろんな技術や考え方が急激に進歩していく中で、やるべきことと楽しいことが融合していく。つまり子育ても仕事も、やがてエンタメの1ジャンルになっていくんじゃないでしょうか」

TOBIさんのお話に納得できる一方で、育児うつや仕事のストレスなどは、毎日の子育ての中で、どうしてもゼロにはできないかもしれません。

ただ、視点を変えることで、これまでに見えなかった楽しみを見つけられる可能性はあるはず。第2回(#2)でTOBIさんが教えてくれたフランスの子育て文化のように、みんなが幸せに生きるヒントは、そういったところにもあるのかもしれません。

「コロコロという意味のない言葉にいろんな表情をつけて読むのが楽しい」と、TOBIさんおすすめの絵本『ころ ころ ころ』(さく元永定正/福音館書店刊)

TOBIさんの作家デビュー小説『七面鳥 山、父、子、山』(リトルモア刊)。自身の幼少期を舞台に、父親との関係を描いている。

取材・文/井上良太(シーアール)

※TOBIさんのインタビューは全4回。
#1 幼少期編
#2 自分の子育て編
#3 勉強編


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レ・ロマネスクTOBI

アーティスト

●レ・ロマネスクトビー  広島県比婆郡(現在の庄原市)出身。フランスで結成された音楽ユニット「レ・ロマネスク」のメインボーカル。相方...

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