げんきの子育てお悩みランキングトップ12を多角的に検証!
悩みの多い育児の中でも、“本当に気になっている悩み”を12に絞り、それぞれを多角的に詳細に検証していくシリーズ連載です。
今回のお悩み
「2歳の子どもの言葉が遅いのが気になる。言葉が遅い子の特徴や対応は?」
まずは、子育てアドバイザー&キャリアコンサルタントの高祖常子先生の回答からご紹介します。
きょうだいでも言葉の発達速度は違うもの
見極めるポイントは、こちらの言っていることが伝わっているかどうか。「こっちにおいで」とか、「ゴミをポイしてきてね」などと話しかけてみて、それがちゃんと伝わっていれば、様子を見てもいいのではないでしょうか。
障害や病気を心配される方もいらっしゃると思いますが、1歳半健診でなにか指摘されたということでもなければ、あまり気にされる必要はないのではと思います。
もちろん気になる方は、小児科や保健所などの相談窓口に行ってみるのも1つの方法でしょう。そうすれば、「こんなふうに語りかけたらいいですよ」など、発語のヒントももらえるでしょう。
興味を持ったことについて言葉を投げかけよう
例えば一緒にお散歩をしていて、何か指をさしていたら、「何を指さししているのかな。わんちゃんがいたんだね」と話しかけたり、「気持ちよさそうにお散歩しているね」などと伝えることからはじめてみてください。
子どもが興味を持ったことに親も一緒に興味を持ち、それについての言葉をたくさん投げかけてあげましょう。
それから、子育て支援センターなど、子ども同士で触れ合える場所に行くのも発語を促すポイントです。「子どもは人の中で育てる」とよく言われますが、本当にそのとおりです。
お家ではママとパパが言う言葉しか聞けませんが、いろんな人が言葉を話すのを聞くと、「あ、こういう悲しいときにこういう言葉を使うんだ」などと、表情や行動も含めてキャッチすることができますから。
感染症がご心配な方もいらっしゃると思いますが、子育て支援センターなどでもいろいろな配慮をしてくださっているので、ぜひ怖がらずに出かけてみていただけたらと思います。家にこもってばかりだとママも煮詰まってしまいますから、たまには外に出て、気晴らしをしてくださいね。
言葉を省略しない意識を持って
でもあるとき「やかん」と先生が言ったら、子どもたちはその言葉を知らなかったそうなんです。たぶん、「お茶を入れましょう」みたいな言い方をしていたんですよね。そうすると子どもたちは、「あれはお茶を入れるものだ」ということは分かるけど、やかんという言葉は分かりませんよね。
加えて、子どもが集中して遊んでいる時とき、邪魔をしてまでたくさん喋りかけなくてもいいのですが、生活のさまざまな場面で、「おはよう」「ありがとう」などの挨拶も含めて、大人がたくさんの言葉を使っていくことが大切だと思います。
なぜなら、子どもは家族という一番小さな集団から社会性を学んでいくものだからです。普段、家族のなかで「おはよう」「ありがとう」と言っていないのに、外でだけで強要されても、子どもはその言葉を使わないし、使えないですよね。
日常生活のなかで言葉をたくさん使ううちに、だんだん慣れていくものなんです。
間違えていても否定しない
言い間違いに気が付いたら、「トウモロコシ黄色いね、粒いっぱいあるね。おいしいね」など、親が感じたことを言葉にして、そのなかに正しい言葉も織り交ぜる……といった形で、さりげなく伝えるのがおすすめです。
どうぞ楽しいコミュニケーションのなかで、ポジティブに言葉を育んでいってあげてくださいね。