犬山紙子と考える!ママパパのモヤッと育児Q&A「動画見せてます?」

育児に関する情報や世代間の価値観の違いなど、気になる疑問に犬山紙子さんが答えます!

ライター:木下 千寿

育児中の気になるモヤモヤ疑問を、犬山紙子さんと一緒に考える

子育てしていると、ちょっと引っかかって胸の中にわだかまる事柄に行き当たったり、モヤモヤとして一言で言い表すのが難しい思いや疑問が浮かぶ瞬間があるはず。

「“悩み”というほどではないけれど、どうも腑に落ちない」「なんだか気になる」そんな話を、イラストエッセイスト、コラムニストとして活躍し、自身も6歳の娘さんの子育て真っ最中の犬山紙子さんと一緒に考えてみましょう。
犬山紙子
イラストエッセイスト、コラムニスト。2011年マガジンハウスからブログ本を出版しデビュー。2014年結婚、2017年に第1子となる女児を出産後、児童虐待問題に声を上げるタレントチーム「#こどものいのちはこどものもの」を立ち上げ、社会的養護を必要とする子どもたちへのクラウドファンディング「こどもギフト」メンバーとしても活動中。
「どうしても動画を見せてしまう」
「家にいるとどうしても動画を見せてしまうことが多いです。『こんなに見せて大丈夫かな?』と心配しつつも、家事をやっている間は動画に頼ってしまいます」(2歳女児のママ/ちびこ)
動画に頼る育児はNG?

時間で区切らずに、自発的にやめられる工夫を

〈犬山さん〉
私も家事をするときなど、動画にめっちゃ頼っていますよ! 「何がなんでも子どもには動画を見せちゃダメ」という風潮は、どういうことだろうかと思います。親世代だってたくさん見ているし、動画と言っても内容はさまざま。なかなか一括りにできないものだと思います。

この連載第1回であげた中室牧子さんも、著書で「1日1時間程度のテレビやゲームなら、全くやらないのと変わりはない」と書いておられました。2時間を超えると発達や学習時間に支障が出ると書かれていたのですが、それも動画の見すぎが原因というよりは、動画を見ている時間はほかのことに時間が使えない、ということなのかなと私は考えています。
みんな「動画は、あまり見せていません」という顔をしていますが、たいていのご家庭では動画を見せているはず。だから、「いや、実は見せています」って共有できたらいいのに、と思います(笑)。そうすれば、きっとみんな気持ちがラクになる。

今の親世代は忙しいですから、使えるコンテンツは大いに頼っていいと思うんですよね。無理して頑張って、自分が体調を崩して子どもに八つ当たりして……という悪循環になるほうが問題です。
コミュニケーションも必要
ただ、「子どもにぜひ見せたい!」と思うようなステキなコンテンツもありますし、逆に「これは見せたらダメだ」という内容もある。そのジャッジは親がしっかりやらないとダメですよね。フィルタリングをしたり、インターネットの動画をテレビにつないで、何を見ているか親が分かるようにすることも大切だと思います。

また、長時間視聴させるときは、動画を見ている子どもに「面白いねえ」などと話しかけたり、感想を聞いたり、コミュニケーションをとることが必要かなと思います。

子どもが動画を際限なく見たがるという問題も怖いですよね。でも、時間を決めて守る練習にもなると思います。急に「終わりだよ」というと、子どもが「どうして!?」とかんしゃくを起こす流れにもなりやすいので、私は折衷案。動画があと5分くらいで終わるようなら「これを見たら、終わりにしよう」と言うようにしています。子どもの、「最後まで見たい」という気持ちを尊重する。私だって、「ゲームを今すぐ止めろ」と言われたら困るから(笑)。でも、たまに「あと45分もあるの?」みたいなときは止めます。
たとえば親が家事をしている間に、「これが終わったら声をかけるから、そうしたら動画は終わりにしようね」とあらかじめ言っておいて、「ママのお仕事、終わったよ」と声をかけて、子どもが自分で動画を見るのを止められたら「すごいじゃん! 自分で止められたね」とご褒美をあげる。それも、自発的に何かをするいい練習になると思います。
写真(犬山紙子)/岩田えり 取材・文/木下千寿 写真提供:ピクスタ
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きのした ちず

木下 千寿

ライター

福岡県出身。大学卒業後、情報誌の編集アシスタントを経てフリーとなる。各種インタビューを中心に、ドラマや映画、舞台などのエンターテイメント、ライフスタイルをテーマに広く執筆。趣味は舞台鑑賞。

福岡県出身。大学卒業後、情報誌の編集アシスタントを経てフリーとなる。各種インタビューを中心に、ドラマや映画、舞台などのエンターテイメント、ライフスタイルをテーマに広く執筆。趣味は舞台鑑賞。