だっこって何歳まで? 歩くのを嫌がって困ります 発達の専門家が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#51「歩くのを嫌がって「だっこだっこ!」と、言って困らせます」

教育学博士:渡辺 弥生

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2歳ごろになると、子どもの体重も増えて、だっこをするのも一苦労です。

まして、荷物の多い買い物帰りなどのときに、「だっこして~」とだだをこねられると、ドッと疲れが出てしまうことでしょう。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「歩くのを嫌がって『だっこだっこ!』と、言って困らせます」(3歳・男の子)

歩くのを嫌がって「だっこだっこ!」と、言って困らせます 写真/Adobe Stock

子どもは、なぜ歩きたがらないんだろう?

この時期は長くは続きません。

今は大人の知恵でのりきるのが賢明です。

そのためにも、歩きたがらない理由を少し考えてみましょう。

①大人の用事に付き合わされているだけだと楽しさがなく、歩くことに興味をもてなくなっている。

②ママが用事のことで頭がいっぱいだと無表情・無口になりがち。

そのせいで子どもは不安になっている。

③それらに、眠い、疲れた、空腹、のどが渇いたなどの生理的な理由が重なっていることもあります。

「こんなところで甘える困った子!」と考えるのではなく、子ども側の事情に関心を向けてみると、いい対応方法が思いつくはずです。

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具体的には、どうしたらいいの?

対応のポイントは「外出が楽しみになるような会話」と「共感」、そして「一息入れる」です。

「だっこ~!」「ムリ!」と、親子バトルになれば、時間がムダなばかりか疲労感は増すばかり。

逆に、あえて怒りを抑えて、女優になったつもりで優しさや楽しさを演出したほうが得策と言えます。

たとえば、

★「あそこ(行き先)には○○があるよ。お菓子も食べようね。何がいい?」などと楽しく話しながら歩く。

「疲れたから元気が出るお水を飲もう」と一緒に飲んで「おいしいね。元気が出た! さあ、出発進行!」。

荷物は脇に置いて、ちょっとだっこしてあげますが、ママはヘナヘナとして「ママも足がクタクタ。今度は、ママをだっこして」とハグしてもらう。

「ありがとうね~。ママ、気持ちよくなった。じゃあ、がんばって歩こうか!」。

などといった感じで、子どもの気分を盛りあげてみましょう。

また、遊び心を誘うのも方法です。

車が多く通る道なら「赤い車(子どもの好きな色)、来るかな? あっ、青だね、次は何色かな……」。

声を出すとパワーがわくので、リズミカルに数を数えてみる。

「1、2、3……。10まで数えた、がんばった!すごい! 次また数えるよ~」。

など、工夫してみましょう。

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子どもは楽しいことや興味があることには疲れ知らず

ママは大変ですが、結果的にはこれが最善の方法だと割り切るのも方法でしょう。

最近の子どもは、歩く機会が少なく脚力が低下しているといわれています。

歩くことは体力作りの基本です。

外出が、ママにとっても楽しいものになるように、時間にゆとりのあるスケジュールを組み、親子で笑顔で歩くことを心がけながら、この時期をのりきれるといいですね。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...