どうしたらあいさつがきちんとできる子に育つ? 発達心理学教授が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#39「あいさつがきちんとできる子に育てたい」

教育学博士:渡辺 弥生

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外出先で人に会ったときや、よそのお宅に遊びにいったときに、「子どもが上手にあいさつをしてくれるといいな」と思うママは多いですね。

あいさつをすると「気持ちがいい」という体験をいっぱいさせてあげましょう。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「あいさつがきちんとできる子に育てたい、どう伝えればいいですか?」(3歳・女の子)

あいさつがきちんとできる子に育てたい、どう伝えればいいですか? 写真/Adobe Stock

できれば形だけではない心のこもったあいさつを

最近は、大人でもあいさつをしない人が増えています。

考えてみると、小学生くらいの子がいちばんしているかもしれません。

それが、思春期になると自分に意識が向くためにしなくなりがちです。

そして、周りへの感謝の気持ちに気づくことで、あらためて心からのあいさつができるようになっていきます。

ただ、だれもがそうとはかぎりません。

あいさつは社会の潤滑油のようなものですが、人生を通して、自然とあいさつができる人は、それが「気持ちがいいこと」だという感覚をもっている人だと思います。

小さなころから、形だけではなく、あいさつをする心地よさみたいなものも一緒に伝えていくことが大事です。

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あいさつは、なぜ大事なんだろう?

たとえば、朝「おはようございます」とお互い笑顔であいさつを交わしますね。

いろいろ言わなくても、それだけで、「今日も一日、がんばりましょうね」というような思いが伝わってきて心が温まります。

あいさつをすることで、相手と同じ時間を共有しているという気分になれるのですね。

これが精神面によい影響をあたえるのだと思います。

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見せて、説明して、ほめて教えよう

ママにしてみると、できれば今日からでもいわせたいと思う気持ちがあるかもしれません。

でも、背中を押しすぎるのは考えもの。

1~3歳は、ママに強くいわれると、「あいさつはキライ!」という結果になりがち。

むしろそれよりも、

◆あいさつのバリエーションを見せて教えていく

子どもになにかを教えるときは、お手本を見せていくことが基本です。

あいさつには、場面ごとにバリエーションがあります。

まず、親が子どもや周囲の人にあいさつをし、ときには「○○ちゃんもやってみる?」と誘ってみる程度でよいでしょう。

◆あいさつは「気持ちがいいこと」だと話してあげる

ときどきでもいいので、「あいさつをすると気持ちがいいね~」「○○さん(相手)もうれしそうだったね」「あいさつって、いいね。ママ大好きよ」などと笑顔で話してあげましょう。

◆少しでも素振りがあったらほめる

うまくできなくても、あいさつをしたそうな素振りをしたときや、ポーズができたときは、「そうそう。そんな感じで、○○っていえばいいのよ」と、それを認めてあげましょう。

こうして毎日を積み重ねるうちに、あいさつをしたら相手がうれしそうだったし、自分も楽しい気分になったという体験をします。

すると、その子に、あいさつをする心地よさが自然としみこんでいきます。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...