あいさつをすると「気持ちがいい」という体験をいっぱいさせてあげましょう。
「あいさつがきちんとできる子に育てたい、どう伝えればいいですか?」(3歳・女の子)
できれば形だけではない心のこもったあいさつを
考えてみると、小学生くらいの子がいちばんしているかもしれません。
それが、思春期になると自分に意識が向くためにしなくなりがちです。
そして、周りへの感謝の気持ちに気づくことで、あらためて心からのあいさつができるようになっていきます。
ただ、だれもがそうとはかぎりません。
あいさつは社会の潤滑油のようなものですが、人生を通して、自然とあいさつができる人は、それが「気持ちがいいこと」だという感覚をもっている人だと思います。
小さなころから、形だけではなく、あいさつをする心地よさみたいなものも一緒に伝えていくことが大事です。
あいさつは、なぜ大事なんだろう?
いろいろ言わなくても、それだけで、「今日も一日、がんばりましょうね」というような思いが伝わってきて心が温まります。
あいさつをすることで、相手と同じ時間を共有しているという気分になれるのですね。
これが精神面によい影響をあたえるのだと思います。
見せて、説明して、ほめて教えよう
でも、背中を押しすぎるのは考えもの。
1~3歳は、ママに強くいわれると、「あいさつはキライ!」という結果になりがち。
むしろそれよりも、
◆あいさつのバリエーションを見せて教えていく
子どもになにかを教えるときは、お手本を見せていくことが基本です。
あいさつには、場面ごとにバリエーションがあります。
まず、親が子どもや周囲の人にあいさつをし、ときには「○○ちゃんもやってみる?」と誘ってみる程度でよいでしょう。
◆あいさつは「気持ちがいいこと」だと話してあげる
ときどきでもいいので、「あいさつをすると気持ちがいいね~」「○○さん(相手)もうれしそうだったね」「あいさつって、いいね。ママ大好きよ」などと笑顔で話してあげましょう。
◆少しでも素振りがあったらほめる
うまくできなくても、あいさつをしたそうな素振りをしたときや、ポーズができたときは、「そうそう。そんな感じで、○○っていえばいいのよ」と、それを認めてあげましょう。
こうして毎日を積み重ねるうちに、あいさつをしたら相手がうれしそうだったし、自分も楽しい気分になったという体験をします。
すると、その子に、あいさつをする心地よさが自然としみこんでいきます。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。