トイレトレーニングが進みません どうすればいい? 発達心理学の先生が答えます

こんなときどうする?子育てQ&A#6「トイレトレーニングが進みません」

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いつの時代も、トイレトレーニングの悩みはつきもの。

親御さんにとってもお子さんにとっても、ストレスにならないようにしたいですね。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「トイレをいやがります。無理やりでは逆効果ですし、どうすればいいでしょう?」(2歳半・女の子)

トイレをいやがるときの対処法は? 写真/Adobe Stock

心に余裕があるときにスタートしましょう

もしかしたら、親御さんがトイレトレーニングに焦りを感じていませんか?

お子さんは親の感情を敏感に感じとり、トイレを「親がイライラする場所」と思っているのかもしれません。

トイレトレーニングを始める前に、親御さん自身の心の状態をチェックしましょう。

イライラしているとき、忙しいときなどは避け、うまくいかなくても落ち着いて対応できるくらい、心と時間に余裕があるときにスタートするといいですね。

もちろん、清潔で明るい空間になるよう、トイレを整えるのも大切です。汚く暗いトイレには、大人でも行きたくありませんから。

「トイレでうんち、おしっこをしません。便座に座るのは平気ですが、『でた』と言っても実際にはでていません」(1歳半・男の子)

でていないのに「でた」と言うのはなぜ? 写真/Adobe Stock

トイレのプロセスが理解できている証拠です

トイレトレーニング中は、このようなことがよくあります。

トイレは子どもにとって初めてのチャレンジ。「でた」という言葉と、だす行為がつながっていないのでしょう。

でも、トイレのプロセスは理解できている証拠ですから、あとは実体験を重ねていけばいいのです。

おしっこがでたときに「おしっこでたね」と言って、行為と言葉をつなげてあげましょう。

言葉がけを何度も繰り返し、たくさん経験していくと、次第に意味を理解できるようになります。

あともう一息!

「おしっこはトイレでできるのに、うんちのときだけおむつにしたがります」(2歳・女の子)

うんちのときだけおむつにするのはどうして? 写真/Adobe Stock

「気持ちいい」という経験を重ねれば大丈夫

おしっこをするよりもうんちをするほうが、微妙に力を入れたり、抜いたり、難しいもの。

でも「おむつでするよりもトイレでしたほうが気持ちいい!」という経験を重ねていけば、自然とトイレでするようになります。焦らずに、見守っていきましょう。

トイレトレーニングは月齢や季節、友だちが始めたからなどの理由で始めるものではありません。

しっかりと歩行できる、きちんと1人で座れる、おしっこの間隔が2時間以上あく、「トイレ行く?」「できた?」などの言葉が理解できるなど、身体的・知能的に充分発達していることが大切です。

そして、大人の真似をしたがるようになったら、スタートのタイミングだと思います。

トイレトレーニングを早く始めれば早く終わる、ということではありませんから、まずはお子さんの発達状態をよく観察し、1人1人のペースに合わせ、焦らずゆっくり、取り組んでいってくださいね。

文/久世恵美 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...