ママが働くのは子どもがかわいそう? 専業ママがいい? 教育学博士が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#46「ママが働くのは、子育てにマイナス? やはり専業がいいの?」

教育学博士:渡辺 弥生

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「子どもを保育園に預けるのは、かわいそう」「小さなうちは家庭で育てたほうがいい」などという話をきくことがあります。

でも、本当にそうなのでしょうか?

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「ママが働くのは、子育てにマイナス? やはり専業がいいの?」(1歳・男の子)

ママが働くのは、子育てにマイナス? やはり専業がいいの? 写真/Adobe Stock

ママがハッピーでいられることがベスト

結論からいえば、専業で子育てするか、預けて働くかが問題ではなく、ママが今の生活に満足しているかどうかが大事なのです。

不満に感じているとストレスになり、それが子育てに影響することが多いからです。

もちろん、100パーセント幸福だといいきれる人は、まずいません。

どんなに希望の生活をしていても、それなりの苦労があります。

ただ、そのとき「家庭にいるのが好きだから専業ママでいる」、逆に「仕事をすれば収入が増え、充実感もあるから働く」というように、望む生活ができていれば、苦労があってもそれを乗り越えるパワーが得られます。

それが子育てにプラスになるのです。

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保育園などに預けるメリット・デメリット

では、子どもを保育園などに預けると、どんな影響があるのでしょうか。

まず、メリットですが、

◆子どもにとっては、「生活リズムが整う」「活動量が多いので体力がつく」「親以外の人と交流するので社会性の育ちによい影響がある」など。

◆ママにとっては、「子育てのプロの保育士にいつでも育児のアドバイスをもらえる」「異年齢の子どもが集まっているので、わが子の発達の道筋をイメージできる」など。

また、子どもと離れて過ごす時間があるから、より子どもを愛しく感じられるという話もよく聞きます。

ただ、デメリットもあります。

◆預けることに慣れてしまい、朝から夜遅くまで預けっぱなしで、家庭で過ごす時間が極端に少なくなってしまう危険性もなくはありません。

◆施設によっては悪環境のところがあります。

預ける前に、保育者の資格の有無や衛生管理状態、運動量を含めた生活リズムの作り方などを確認しておくことが大事です。

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どちらが優位ではなく選択の違いだけ

ときどき、「専業ママと働くママのどちらが子どもにとっていいのか」と比べて語られることがあります。

これは、まったく無意味な比較です。

どちらの立場であっても、わが子の幸せを願う一人の親であることに変わりないからです。

家庭によって子育て事情はさまざまです。

なかには、働きたい気持ちはあるのに、「小さな子どもがいる身で、どうなんだろう?」と迷っていたり、「子どもがいるから働けない」と悔しい気持ちがあったりするママがいるのは自然なこと。

子どもを預けて働くのは決して悪いことではありません。

どうしたら自分のストレスを減らせるかを考えた選択をすることがいちばんです。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...