ママが働くのは子どもがかわいそう? 専業ママがいい? 教育学博士が回答
こんなときどうする? 子育てQ&A#46「ママが働くのは、子育てにマイナス? やはり専業がいいの?」
2022.04.25
教育学博士:渡辺 弥生
でも、本当にそうなのでしょうか?
「ママが働くのは、子育てにマイナス? やはり専業がいいの?」(1歳・男の子)
ママがハッピーでいられることがベスト
不満に感じているとストレスになり、それが子育てに影響することが多いからです。
もちろん、100パーセント幸福だといいきれる人は、まずいません。
どんなに希望の生活をしていても、それなりの苦労があります。
ただ、そのとき「家庭にいるのが好きだから専業ママでいる」、逆に「仕事をすれば収入が増え、充実感もあるから働く」というように、望む生活ができていれば、苦労があってもそれを乗り越えるパワーが得られます。
それが子育てにプラスになるのです。
保育園などに預けるメリット・デメリット
まず、メリットですが、
◆子どもにとっては、「生活リズムが整う」「活動量が多いので体力がつく」「親以外の人と交流するので社会性の育ちによい影響がある」など。
◆ママにとっては、「子育てのプロの保育士にいつでも育児のアドバイスをもらえる」「異年齢の子どもが集まっているので、わが子の発達の道筋をイメージできる」など。
また、子どもと離れて過ごす時間があるから、より子どもを愛しく感じられるという話もよく聞きます。
ただ、デメリットもあります。
◆預けることに慣れてしまい、朝から夜遅くまで預けっぱなしで、家庭で過ごす時間が極端に少なくなってしまう危険性もなくはありません。
◆施設によっては悪環境のところがあります。
預ける前に、保育者の資格の有無や衛生管理状態、運動量を含めた生活リズムの作り方などを確認しておくことが大事です。
どちらが優位ではなく選択の違いだけ
これは、まったく無意味な比較です。
どちらの立場であっても、わが子の幸せを願う一人の親であることに変わりないからです。
家庭によって子育て事情はさまざまです。
なかには、働きたい気持ちはあるのに、「小さな子どもがいる身で、どうなんだろう?」と迷っていたり、「子どもがいるから働けない」と悔しい気持ちがあったりするママがいるのは自然なこと。
子どもを預けて働くのは決して悪いことではありません。
どうしたら自分のストレスを減らせるかを考えた選択をすることがいちばんです。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。