子どもが泣くとイライラしてつい叱ってしまう 育児の専門家が回答
こんなときどうする? 子育てQ&A#45「子どもが泣くのがストレスで、つい叱りつけてしまいます。」
2022.04.22
教育学博士:渡辺 弥生
ただ、泣き方には個人差が大きいので、よく泣く子のママは子育てをつらく感じてしまいがちです。
「子どもが泣くのがストレスで、つい叱りつけてしまいます。」(1歳・男の子)
ママ一人で子育てするのは重労働
周りの手を借りるほうが、ママの精神面にも、子どもの成長にもプラスになることが多いのです。
ところが、「人に頼らずに自分でなんとかしなくちゃ」と考えるママが増えています。
また、周囲の人も「手助けしましょうか」という声がけをしづらい社会になっています。
これでは子育ては大変。上手に人の手を借りることができれば、ママのストレスは大いに減るはずです。
SOSを出すスキルを身につけていこう
苦労はあっても、子どもの成長に携われる子育ては楽しいものです。
それがストレスになるというのは、かなり心がまいっている証拠。
こんなとき、「SOSを出すスキル」をもっていると状況は違ってきます。
スキルといっても難しいことをする必要はありません。
まず、子育てをサポートしてくれる人を書き出してみます。
たとえば、「休日はパパ、週1~2回は両親や義両親に手伝ってもらう」など。
また、地域の子育て支援サービスや児童館などを活用する方法もあります。
情報を調べて、それも記載しておくとよいでしょう。
すぐに実践しなくても、この準備をしておけば、「なんとかなるかもしれない」という気になり、気分がラクになる可能性が高いもの。
もちろん、さっそく行動して、週に数時間だけでも自分の時間を作り、美容院へいったり、ゆっくりお茶を飲んだりすることができれば、ストレス解消につながるでしょう。
甘え上手になるのも大切なことです
そのため感情的に叱りつけたくもなるでしょうが、その繰り返しではママ自身が救われませんね。
子どもは気持ちがよければ笑うし、不快なときは泣きます。
泣くのは子どもなりのコミュニケーションなので、笑いには笑顔を返し、泣いたらあやすなどの応答が大事です。
なにより、子どもにとって、泣いて不快感を表すことは感情の発達に必要なこと。
けっして悪いことではありません。
それを知ったうえで、つらくなったら素直にSOSを出しましょう。
1~3歳の子をもつママは、甘え上手になることが大切です。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。