子どもが泣くとイライラしてつい叱ってしまう 育児の専門家が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#45「子どもが泣くのがストレスで、つい叱りつけてしまいます。」

教育学博士:渡辺 弥生

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言葉がうまく話せない時期の子どもは、泣くのが仕事のようなものです。

ただ、泣き方には個人差が大きいので、よく泣く子のママは子育てをつらく感じてしまいがちです。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「子どもが泣くのがストレスで、つい叱りつけてしまいます。」(1歳・男の子)

子どもが泣くのがストレスで、つい叱りつけてしまいます。 写真/Adobe Stock

ママ一人で子育てするのは重労働

本来、子育てはママ一人でやりこなせるものではありません。

周りの手を借りるほうが、ママの精神面にも、子どもの成長にもプラスになることが多いのです。

ところが、「人に頼らずに自分でなんとかしなくちゃ」と考えるママが増えています。

また、周囲の人も「手助けしましょうか」という声がけをしづらい社会になっています。

これでは子育ては大変。上手に人の手を借りることができれば、ママのストレスは大いに減るはずです。

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SOSを出すスキルを身につけていこう

たとえば、「子育ては自分一人でやりこなすのが当たり前」「育児をつらく感じる自分はダメママ」などと、頑張りすぎても、自分を責めすぎても問題は解決しません。

苦労はあっても、子どもの成長に携われる子育ては楽しいものです。

それがストレスになるというのは、かなり心がまいっている証拠。

こんなとき、「SOSを出すスキル」をもっていると状況は違ってきます。

スキルといっても難しいことをする必要はありません。

まず、子育てをサポートしてくれる人を書き出してみます。

たとえば、「休日はパパ、週1~2回は両親や義両親に手伝ってもらう」など。

また、地域の子育て支援サービスや児童館などを活用する方法もあります。

情報を調べて、それも記載しておくとよいでしょう。

すぐに実践しなくても、この準備をしておけば、「なんとかなるかもしれない」という気になり、気分がラクになる可能性が高いもの。

もちろん、さっそく行動して、週に数時間だけでも自分の時間を作り、美容院へいったり、ゆっくりお茶を飲んだりすることができれば、ストレス解消につながるでしょう。

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甘え上手になるのも大切なことです

ネガティブな感情は伝染しやすいので、子どもの泣き声がママをつらい気持ちにさせやすいという現実があります。

そのため感情的に叱りつけたくもなるでしょうが、その繰り返しではママ自身が救われませんね。

子どもは気持ちがよければ笑うし、不快なときは泣きます。

泣くのは子どもなりのコミュニケーションなので、笑いには笑顔を返し、泣いたらあやすなどの応答が大事です。

なにより、子どもにとって、泣いて不快感を表すことは感情の発達に必要なこと。

けっして悪いことではありません。

それを知ったうえで、つらくなったら素直にSOSを出しましょう。

1~3歳の子をもつママは、甘え上手になることが大切です。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...