甘えがひどい 甘えてくる子どもの心理とは? 対処法を発達の専門家が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#91 最近、甘えがひどくなった気がして心配です。

教育学博士:渡辺 弥生

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子どもがすねたり、ごねたりするのを「甘えている」と不安に感じるのは、日本のママパパの特徴のようです。

子どもがぐずぐずいうのは、わがままの表れととらえてしまうからでしょう。

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「最近、甘えがひどくなった気がして心配です。」(2歳・女の子)

最近、甘えがひどくなった気がします。どうすればいい?  写真/Adobe Stock

子どもが甘えることに厳しいのは日本的感覚!?

欧米ではそういうことを「甘え」ととらえないせいか、子どもの泣き声に後ろ髪をひかれることが少ないようです。

そのため、生まれたときから寝室を別にすることもできるような気がします。

幼児期の子どもが自分からママパパになにかをしてほしがったり、だっこを求めたりするのは、けっして心配することではありません。

とくに2歳ごろは知的な発達が進むので、ボンヤリしていた世界がだんだん見えるようになります。

今までは平気だったことでも急に不安になって、ママパパを求めることが増える時期ともいえます。

ここでもう一度、ママパパの愛情を確信して、安心してまた一歩を踏み出そうとしているのだと考えられています。
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子どもの甘えをどう考え、受けとめたらいいの?

子どもが赤ちゃん返りをしたようで心配かもしれませんが、成長期の子どもにはありがちなのです。

形は違いますが、小学生になっても親に甘えてくることはよくあります。

そこで、子どもの甘えに関しては、次のように考えて対応するといいでしょう。

★甘えOKのケース

子どもが求めてきたときは、まず受け止めてあげるのが正解!

十分に甘えさせて充電してあげ、「はい、がんばって、これをやってみよう!」と、さりげなく手伝ってあげれば、子どもは実力以上の力を発揮できるものです。

子育ては「急がば回れ」です。

今は手がかかりますが、結果的に自立がスムーズに進みます。

★NGのケース

子どもが求めてもいないのに、親が先回りして手や口を出す「甘やかし」は極力避けましょう。

★後追いがひどいケース

ママパパとの信頼関係を築いている途中の段階でよくおこります。

心配はいらないので、トイレに入るときなら「ママはここにいるよ」と声をかけてあげるような対応をしてみましょう。

そうすれば「ママはかならず戻ってきてくれる」という確信をだんだんにもつことができて、この時期もすぐに卒業していきます。

今は、子どもの成長を応援していく時期。

求めてきたときは、できるだけ受けとめながら、おおらかに接してあげたらよいでしょう。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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