何回いっても効果がないと、「私の叱り方が悪いのかな?」と思うこともあるでしょう。
でも、これは親ごさんのせいではありません。
「子どもにわかるように叱る方法は?」(2歳・男の子)
「こうするといいよ」と解決策を伝える方法で
この時期は、怒って行動を修正しようとしても効果はありません。
「未熟な時期」と割り切って、根気よく「こうしたらいいよ」と教えていくほうが、子どもの成長も促せるし、ママやパパのストレスも減ります。
もちろん、危険なことや人に迷惑をかけるようなことをしたときは、とっさに「ダメ! やめなさい!」と語気が強まってもいいのです。
ただ、そのあとは「次から子どもにさせたい行動」や「なぜだめなのか」ということをポジティブにわかりやすく伝えていきましょう。
たとえば、こんなときには…
ポイントは「その場で目を見て、わかりやすい言葉で、次からはどうしたらいいかを伝えていく!」です。
そのあとは望ましい行動がとれるように、親ごさんがサポートしながら教えていってあげましょう。
◆図書館で走り回る
×「走っちゃダメでしょ!」
〇「走らないで本を読もうね!」と目を見て教えます。
次に「ママやパパと一緒に座って○○の絵本を見ようか」と静かに過ごせる方法を提案します。
それでも騒ぐときは、図書館にいることをあきらめて外に出ましょう。
◆食べ物をわざとこぼす
×「それをやったらダメっていったでしょ!」
〇「食べ物は大事よ。ママやパパと食べようね」といい、食べられるものは皿に戻します。
その後、「これ、おいしいよ。ママとパパが食べちゃうよ」などと、楽しい話題で食事モードに戻します。
それでも、もう食べないようなら、お腹が満たされたと割り切って、ごちそうさまをします。
◆お友だちをたたく
×「乱暴する子は、嫌いよ!」
〇「それは痛いよ。貸してねっていおうね。そしたら貸してくれるかもしれないよ」と教えます。
親ごさんが仲介して一緒に遊んだり、乱暴が続くときはその場から離したりしながら何回も教えていきましょう。
◆パン屋さんで商品にさわる
×「あっ、ダメじゃない! お店の人に叱られちゃうよ!」
〇「さわるとバイ菌さんがついて、おなかが痛くなっちゃうからね。お金払って、お家に帰ってから食べようね」と教えましょう。
ただ、包装なしで食品陳列をしている店に連れていくのは、年齢的にまだ少し酷かもしれません。
「あそこへいくと、こういうことが起こるかも」と予測して、叱らなくてもすむ事前の対策を練っておくことも大事ですね。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。